著者:川下貴士(松蔭大学看護学部精神看護学講師)
t-kawashimo@shoin-u.ac.jp
皆さんどうも。私たちのコミュニケーションに関する本が、重版(2刷)となりました! ひとえにこの本を手に取ってくれた皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。まだ購入されていない方がいましたら、下記の『この書籍の購入・詳細はこちら』のリンクから立ち読みだけでもしてください。
今回はコミュニケーションってやっぱり難しいなという失敗談です。どうぞお付き合いください。
話を聴いてほしいのか、助言がほしいのか、わからない!
精神看護に携わり20年。ようやく最近、人とのコミュニケーションが少しだけわかるようになった気がしたんです。コミュニケーションに関する本を出版しているのにお恥ずかしい限り。
先に言い訳だけさせていただくと、患者さんや利用者さん、はたまた学生とのコミュニケーションにおいては、話を聴けていると思っています。そこは20年以上精いっぱい取り組んできたと自負しているので、大丈夫なはずです。
皆さんもこう思った経験ありませんか? あの先輩、患者さんの話はよく聴いているのにどうしてスタッフにはそうしないんだろう?って。僕も若かりしころによく思っていました。反面教師にしようと。
しかし、よくよく考えてみると僕も知らず知らずのうちにそんな先輩みたいになっていたんです。僕自身、家族や友人、職場のスタッフに対して、それができてないじゃないかと。あのころそういう先輩にはなりたくないと決意していたはずなのに、結果的に同じ道を歩んでいることに最近、気付いたんです。
「アドバイスとかいらない! 話を聴いてほしいだけだよ!」と友人に怒られた日がありました。そこでハッとしました。
職業柄、教員ということもあって、助言する癖が僕にはありました。いや……これは教員になる前からこういった傾向がもしかしたらあったかもしれません。僕のなかで勝手に助言を求められているんだなと思い込んでいたんです。反省。
先日、長年、教育機関に勤められ退任された先生の記念講演を聞く機会がありました。その先生が学生とかかわるうえでこれまで意識していたことについて、『学生の話を最後まで聴く』とおっしゃっていました。これほど胸に沁みる言葉はありません。
学生にはできているという油断もあるかもしれないと思い、それからというものできる限り話を聴くように意識しています。相手から助言を求められるまではひたすら話を聴く、僕にとってはとても難しいことですが、精いっぱいやっているつもりです。精神看護において、話を聴くということがどれだけ大切か、痛いほど理解していたはずなのに、理解した気でいたんですね……。情けない。
そうして、今、こうやって意識しながらコミュニケーションを図っていると、1つの仮説が浮かび上がってきたんです。もしかしたら人は……そもそも助言なんて求めてなくて、話を聴いてほしいことが多いんじゃないかって。まだまだ僕自身伸びしろがありそうです!
本音を言えば、話を聴いてほしいのかな? 助言を求めてるのかな?
先に質問したいぐらいですが、そんなこと言ったら元も子もないですよね。コミュニケーションって本当に難しいし、奥が深い!
少しだけ宣伝!
日本看護協会出版会『コミュニティケア』誌(2024年9月号)にて「精神科訪問看護へようこそ」を2025年12月号まで連載していました! 全16話で、精神科訪問看護に興味のある方はこちらの雑誌も読んでいただけると嬉しいです!
※本記事に登場する友だちは、著者の体験に基づくフィクションです。実在する人物などとは関係はありません。
※感想や質問などございましたら、メールアドレスまで連絡していただけるとうれしいです!
著者の書籍の案内
1分で劇的に変わる!
対人関係がうまい看護師があたりまえにやっている50のこと
ストレングス、リカバリー、ポジティブフィードバック……コミュニケーションに自信をもつにはちょっとだけ理由(コツ)がある!
コミュニケーションに自信が持てるコツ満載
患者さんだけでなく、職場の上司や先輩、同僚とのコミュニケーション場面で必要な心構えからテクニックまでを、精神科看護で使用しているコミュニケーション技術をもとに解説。エッセンスをコンパクトに解説しているので、1項目1分で理解できる!
