事例
Aさん(75 歳、女性) は、28 歳で交通事故で負傷した際に輸血歴があり、50歳のときに慢性C 型肝炎 CH(c)と診断されました。そして外来通院中、2 年前に肝硬変(LC)と診断されました。2 週間ほど前より倦怠感、食欲不振がありましたが、生活にさほど支障がないため様子をみていたところ、ここ数日で下肢の浮腫、腹部膨満感が増強し、家族より皮膚の黄染を指摘され、本日受診しました。
問題
入院3日目、Aさんは朝からぼんやりしています。意思疎通はとれますが、つじつまの合わない発言がみられています。そのときの対応として最も適切なものはどれでしょう。
<正解率88%>
(1)入院後の排便状況を確認した。
(2)失禁して寝衣を汚さないようおむつを装着した。
(3)本人の同意を得ず、離床センサーを使用した。
… 正解は …
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(1)
… 正解は …
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(1)
解説
(1)⇒便秘により、肝性脳症を来している可能性が考えられます。
(2)⇒失禁の可能性はあっても、すぐにおむつというのは、Aさんの自尊心を損ねることにもなりかねません。
(3)⇒離床センサーも抑制の1つであるため、患者(場合によっては家族)の同意が必要です。
患者への倫理的配慮について考えてみましょう。また、非代償期肝硬変における意識障害で最も考えやすいものとして、肝性脳症があります。肝性脳症の原因を考えてみましょう。