日々の看護業務に加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で公私ともに困難な1年を過ごしてこられたことと思います。
そのような状況のなかで、いま看護師のみなさんがどのような困りごとや日々の難しさを感じているのか、昨年11月開催『第4回看護力検定』の受検者にアンケート調査を行いました。それにより見えたのは、取り巻く環境や自分自身の変化により不安が生まれているということです。
業務での「不安」は何から生まれる?
アンケートへの回答では、自身の「知識不足」について困っているという回答が48%、「技術不足」の8%を加えると半数以上の方が、いまの自分に不足を感じています。アンケートに寄せられた自由コメントから、これは、さまざな「変化」が要因となっていることがわかります。
変化の一つとして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響もありますが、それ以前から混合病棟化が進んでいることです。それにより「たくさんの疾患の勉強をしなくてはならず追いつかない」といった不安の声があります。
また、高齢の患者が多くを占める現場で「介護しながら医療もしなければならない」といった声や、「自己主張の強い患者さんが増えたように感じ、ストレスが増えた」など、患者対応に苦労しているコメントも見られました。看護業務が増え、煩雑化していることにより、患者さんに寄り添える時間が限られることで、看護への自信が持てなくなっているケースもあります。
そして、異動や昇進、転職、復職も、ポジションの変化や初めての経験のなかで不安が発生します。
自信への一歩目は不足を知ること
こうした不安はどうして起こるのか。それはこうありたい、こうしたいという目標に対して、どのように進めばよいかがわからないからです。例えば山登りなら、地図も持たずに進むのは誰でも不安になります。それが険しい道に感じられたり、これまで歩いたことのない道ならなおさらです。
また、自分の装備(知識や技術)や経験を理解していないことも不安につながります。それによって選ぶ道も変わってくるからです。逆に、自分自身の力量を知ることができれば、進むべき道が見えてくるとも言えます。
そのためには、自分に備わっている知識、足りない知識を客観的に知ることが必要です。アンケートでは「仕事はできているが、何となく知識が薄い感じがする」という声がありました。この場合、本当に知識が薄いのか、薄いとしたらどこなのか、それがわかればどのような学習をすればよいかがわかり、まだ知識を得られていなくても不安は減ります。しかし、日々の忙しい業務のなかで、自身のことを客観的に評価することは簡単ではありません。
自分の強み・弱みを確認する~看護力検定
そこで、自分自身の知識を確認する最適な機会としてオススメなのが『看護力検定』です。制限時間15分のテストを3回に分けてオンラインで受検することで、看護に求められる総合的な力を基礎知識、アセスメント、スキル・ケア提供、コミュニケーション、基本姿勢の5領域から確認することができます。
これまでに4回開催、のべ3万人以上が受検しました。現在開催中の第5回看護力検定は、2021年6月24日(木)までエントリーを受け付けていますので、ぜひご自身の看護力の確認に活用してください。
看護力検定受検者の感想
受検した9割の人が「自分の知識が確認できた」と答えています。
▶「勉強不足を痛感しているものの、看護は幅が広すぎるためどこから手をつければよいか困っていましたが、勉強の入り口を見つけるきっかけになりました」
▶「自分の知識に自信が持てずにいましたが、検定の結果や苦手な部分が見えたこと、受検したこと自体が自信につながりました」
▶「アセスメント力を問われる問題点が多々あり、自分の知識の確認と課題の抽出ができました」
▶「自分の苦手な分野や不足している知識について認識することができ、課題を見つけることができた」
▶「日々の仕事では自覚できない自分の不足が明確になり、今後の自己学習の参考になりました。勤務年数が長くなるとスタッフから指摘を受けることが少なくなり、自分はできている、わかっていると過信していることがありました。今回の受検が自身をフィードバックする機会になりました」