事例
Aさん(75歳、男性)は肺がん・脳転移と診断されています。肺がんの治療の効果がなく、症状緩和を目的に入院となりました。胸部のがん性(痛と時折、呼吸困難感があり、入院時よりオピオイド(医療用麻薬:MSコンチン20mg/日)とステロイドの内服を行っており、薬剤で鎮痛が図れています。Aさんは排泄時以外はベッド上で過ごすことが大半です。
問題
入院3日目の夕方、Aさんは表情が固く、ベッド上での動きも少ない状態です。「ここはマンションの11階だよね。もう朝だから起きなくちゃ」と言いました。看護師が説明しても納得せず、着ているパジャマを脱ごうとしていました。
Aさんはせん妄を発症したため、看護チームでどういった対応が適切か話し合いました。最も適切な対応はどれですか。
<正解率93%>
(1)暴力や転倒などが考えられるので、安全管理のため、抑制を行う。
(2)日時がわかるような声かけを行い、時計やカレンダーなどを設置する。
(3)せん妄の要因であるオピオイドとステロイドの中止を医師に相談する。
… 正解は …
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(2)
… 正解は …
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(2)
解説
(1)⇒安全確保も大切ですが、せん妄を悪化させることがあるので安易な抑制は避けるべきです。
(2)⇒せん妄の看護は、環境調整や日時がわかるような言葉がけが大切です。
(3)⇒オピオイドやステロイドはせん妄の要因の1つとなりますが、痛みがあるのですぐに中止することは適切ではありません。
何が原因でせん妄が起きているのかアセスメントし、原因の除去が可能か、あるいは必要かを考えて、対策を立案します。まずは環境調整など治療に影響を与えない原因除去を看護の視点で行っていきます。患者の生活背景も考慮し環境調整することも大切です。
※2021年4月9日掲載分の再掲載です。