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事例

Aさん(30歳、女性)。2年前から会社の健診で徐脈を指摘されていました。半年前から倦怠感、めまいや立ち眩みの症状がありましたが、最近、症状出現の頻度が高くなったため心配になり受診すると、精査と治療目的にて入院することになりました。入院時の血圧100/56mmHg、心拍数30 回/分、呼吸数15回/分、SpO2 96%。入院後、ベッド上臥床の状態で自覚症状はありません。徐脈に対し、プロタノール(塩酸イソプロテレノール)の内服治療が始まりました。

問題

Aさんの症状から診断のために行われる検査で正しいものはどれですか。
<正解97%>

(1)心電図・12誘導心電図検査

(2)胸腹部超音波検査

(3)胸部単純X線検査



… 正解は …











(1)

解説

(1)⇒この症例は徐脈であることから洞不全症候群(sick sinussyndrome:SSS)または房室(A-V)ブロックの可能性が高いと考えられます。不整脈の診断を行うには心電図・12誘導心電図検査を行う必要があります。
(2)⇒超音波のはねかえりを利用して、身体内部をモニター画面に映し出す検査です。内臓の大きさや位置などを診断するときに実施します。不整脈の診断はできません。
(3)⇒X線を用いて生体内部の構造や変化を調べるときに実施する検査です。不整脈は診断できません。

不整脈は持続して出現しているものもあれば、どのタイミングで出現するかわからないものもあります。12 誘導心電図検査では不整脈が出現しているときに詳しく心臓の電位を知ることができますが、不整脈が出現していないときには有効ではありません。そのため、24時間持続して心電図を装着して観察する必要があります。

※2021年6月14日掲載分の再掲載です。