新卒では看護師の仕事には就かず、農林大学校へ進学したまめこさんは、コロナ禍に初めて病院で働きはじめ、農林大学校は退学することに。病院勤務は週3日、働き始めて2カ月が経ちました。看護助手業務からスタートして、現在は緊張や不安を感じながらも周囲の温かい声かけにも助けられ、入浴介助や食事介助を担当しています。そんななか周囲からの言葉に孤独を感じることもあります。
21歳から英語の勉強を始める
看護学生時代から英語を学びたかったのですが、時間的に専門教科をさばくのに精一杯で英語に力を入れることができませんでした。なので、卒業してから学ぼうと考えてきました。
しかし、最後に英語をしっかり勉強したのは中学3年生。英語の勉強の仕方すら忘れてしまいました(看護学生時代も英語の授業はありましたが、教科書を丸暗記すればいい点数を取れたので、実にはまったくなってなかったんですよね)。
今年7月に英検準2級を受けることを目標にして、とりあえずスタディサプリの高校英語の授業を一通り見ることにしました。
12時半に仕事を終えて、着替えて家に帰ってご飯を食べてお昼寝をしてから開始です。家に帰ってからやることが明確にあるので、変に余計なことを考えて不安になることを最低限に抑えられます。
それに看護学生のときに英語は勉強したくてもできなかったもので、卒業したら勉強しようと思っていたのに、面倒くさいからってしなかったらダサイなと思っていたのでちゃんとやります(笑)。
看護の仕事を始めて自分の何が成長しているかわからない日々を送っていても、英語は勉強さえしていれば少しずつ実力が伸びてくるので、そこに自信を持てます。そして確実に昨日の自分より今日の自分のほうが頭がいいと感じられると、自分自身に希望が持てます。
元気なベテラン看護師さんたちに圧倒されて
別フロアに入浴介助に行き、食事介助までして戻る業務の頻度は週に1回くらいだったのが、徐々に割合が増えてきました。
出勤すると、「師長さんが8時半になったら上にあがってきてって言ってたよ〜」とリーダーの助手さんに言われました。8時半から? 入浴介助は9時半からなのになんでだろう? と考えながら、上のフロアに向かいます。
※特浴介助についてはこちらの記事を参照。
#014|次のステップに進む楽しみと不安
ナースステーションに入ると強そうな看護師さんたちがたくさんいます。みんなベテラン看護師というオーラが漏れ出ています。師長さんレベルがわさわさいる感じです。
私「師長さん、おはようございます」
師長「まめこさんおはようー!そこの休憩室から椅子とって、そこら辺で申し送り聞いてて〜」
私が申し送りを聞く意味はあるんだろうか。いままでは特浴室直行だったのに、師長さんは私に何を求めているんだろうか。
心配性な私は、これまでもお風呂に入れる患者さんの疾患や注意事項を知りたいと思っていましたが、実際聞いてみると患者さんの名前も顔もわからないため申し送りは呪文です。
申し送りは病院や病棟によって長さは違いますが、このフロアはほぼ全患者さんの情報を申し送るため50分ほどかかります。
看護実習をしていたときは申し送る看護師さんの声が小さくて聞き取れないこともありましたが、ここはそんなことはありません。声の張りが、とてもいい。
そして、なんだか雑談やディスカッションの要素もある申し送りで、みなさんが喋る、喋る。朝から元気なそんな姿に圧倒されながら、私はみなさんが意見をがんがんに話している申し送りを、少し距離を置いた場所から聞いていました。
夜勤リーダーからの申し送りが終わると、師長さんが「最近お風呂手伝いに来てくれてるまめこさんです〜。これからは申し送りから来てもらうから、みんな優しくしてあげてね〜」といきなり話し出したため、強キャラ看護師さんたちの視線が一斉にこちらに向きます。
背もたれのない椅子に座っていた私は、その圧で後ろに転げ落ちそうになりました。これは私も挨拶をしないといけない雰囲気だと察し、がんばって声を出します。
私「あ、あ、まめこです。よろしくお願いします」
オドオドし過ぎている気がする。やばい。
もうちょっと、なんかもっとマシな挨拶の感じがあるはずなんだけどなと冷や汗をかいていると、夜勤リーダーさんが
「最近下から来てくれてる子だよね? 下も上も大変だね〜。笑師長さんにめっちゃ働かされてるじゃん」
とガハハと笑い声をあげ、周りの看護師さんたちも「ほんとね〜」「若いからっていろいろやらせ過ぎちゃダメよ師長さん(笑)」とわらわらと話し出します。
つよい。みなさん強い。
そして、なんだか楽しそうだなと思いました。
自分がこのなかに混じれるかは別としてですが。