昨年、大好評を博したセミナーが、今年も大阪で開催されました。例年ご好評いただいている「ほめ方・しかり方(通称:ホメシカ)」に加え、Z世代ナースが求める第三の指導法「フィードバック」を大幅に強化。
今回は特別に、大阪会場でのセミナーの一部を抜粋し、動画とともにその熱気と学びのエッセンスをお届けします!


お客様の声(セミナーアンケートより)

・伝え方について、日々悩んでいたので、PFBやNFB、指示の伝え方などすべてわかりやすかったです。また、承認欲求が強い後輩に対しての伝え方も学ぶことができたと思っています。明日から現場で実践します。(脳神経外科、10年目)

・どうやったらうまく相手に伝えられるのか、具体的に聞くことができた。(一般病棟、17年目)

・具体的な伝え方を学べた。演習をはさむことで整理できてよかった。(新生児科、臨床経験年数不明)

大阪会場ダイジェスト動画

フィードバックは誤解されている

まず「フィードバック」という言葉には、さまざまな誤解があります。

たとえば、「フィードバック=ダメ出し」だと思っている方がいます。「=よくない点を伝えること」だと。たしかに、よくないことも伝えます。でも実は、良い点も伝えるのです。単なるダメ出しではありませんよ、ということですね。

他にも、「フィードバック=叱ること」「できていない人にだけ指摘すること」だと思っている方もいます。そのため「フィードバックをすると相手が傷つくんじゃないか」とためらってしまう方もいらっしゃいます。
けれども、フィードバックを正しく理解していただきたいのです。皆さん、フィードバックというのは、「成長を支援する言葉」です。だからこそ、指導的な立場にある皆さんには、相手の成長のために、ぜひフィードバックを活用していただきたいのです。

フィードバックは、本人の改善のために伝えるものです。長期的に、個人の学習や成長を促進する。その人がよくなることが大前提です。対象になるのは、成果や行動、スキル、態度などです。 そして、最後に大事なことは「事実に基づいて伝える」こと。フィードバックとは、相手の改善と成長に役立つコミュニケーションなのです。

フィードバックは2種類ある

ここで重要なのは、「改善」と聞くと、私たちはつい「よくないところを直すこと」だけをイメージしがちですが、相手の成長を促すという観点からは、2種類のフィードバックがあります。

1つ目は、よいところをさらに伸ばすための「ポジティブ・フィードバック」
そしてもう1つが、改善点を伝える、いわゆる「直す系」のフィードバック。これが「ネガティブ・フィードバック」です。
つまり「改善」というのは、「強みをさらに伸ばす」という観点と、「よくないところを直す」という観点の2つあると考えてください。この両方を伝えることが、相手の成長につながるのです。

考えてみてください。新人スタッフはどこが良かったのか、自分ではわかりませんよね。先輩の言う通りにやっただけなのに「よかったよ」と言われても、「え、どこが?」となる。だから、「どこが良かったのか」まで伝えて、学習につなげる必要があります。

ただほめて終わりではダメなんです。学習させなければいけないのです。「ほめられて気分が良かった」「ああ、正解だったんだな」で終わってしまうのではなくて、「どこが良かったのか」を学習してもらう必要があります。
そしてもちろん、よくなかったところ、足りなかったところは、直していく必要があります。

こんなふうに、フィードバックというものを捉えていただきたいのです。 広い意味での改善、そして相手の成長を支えるもの。これがフィードバックです。



野津浩嗣
国際コーチング連盟マスター認定コーチ/有限会社AEメディカル代表取締役

講師の著書のご紹介

令和版 教えて!ホメシカ先生 Z世代ナースのほめ方・しかり方・伝え方

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信頼を築けるホメシカ理論の実践で、新人・後輩指導が変わる!

離職が減少する“新ホメシカ理論”/職場の心理的安全性を高め、新人をやる気にさせる「シーン別の指導法」「行動特性診断(BPA)によるタイプ別部下との向き合い方」を伝授!

行動特性診断でタイプ別に指導育成できる!
数あるコーチング技法の中から、「ほめる」と「しかる」と「伝える」に焦点をあてて、Z世代ナースの特徴に合わせた新人・後輩の指導方法を解説する。すぐに現場で実践できるよう「指導者と指導対象者の会話例」や「マンガ風イラストで、シーン別・タイプ別のケーススタディ」なども紹介している。



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