周産期のメンタルヘルス支援について、明日からの関わりに役立つ整理を一緒に行いませんか。
本セミナーでは、総合病院精神科にて妊産婦の精神科診療を担当されている清野仁美先生を講師にお迎えし、周産期に関わる支援者として押さえておきたいポイントを体系的に解説いただきます。具体的には、「病態の基本」「薬剤の知識」「本人・家族への説明」「実はここまで対応してほしい」の4つの観点から、現場での判断と支援につながる実践的な内容を取りあげます。
開催に先立ち、講師をつとめていただく清野先生に、本セミナーのねらいや見どころについてお話を伺いました。
――最初に自己紹介も兼ねて、現在はどのような活動をされているか教えてください。
総合病院精神科で妊産婦さんの精神科診療を担当しています。産科から紹介されることがほとんどです。最近は妊娠中からメンタルヘルスのリスクアセスメントされることが多いので、妊娠中に受診される方が増えている印象です。もともと、精神疾患を持ちながら妊娠された方、周産期に新たにメンタルヘルスの不調がみられる方、社会的ハイリスク状況下で妊娠された方などがおられます。精神科に受診されてからも精神科と産科(おもに助産師さん)が協働してメンタルヘルスケアを行っています。
――清野先生の体感として、周産期メンタルヘルスで受診される方は増えていますか? また最近の傾向があれば教えてください。
産後2週間健診でEPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)が行われるようになり、産後早期に受診されることもありますが、育児に慣れてきて産後1か月健診ではEPDSの点数が下がってくるケースもあります。
合計点数だけで評価せず、(短時間でも眠る時間があっても)ほとんど眠れていない様子や、著しい不安や焦燥、幻覚や妄想がある、希死念慮があるなど、明らかに妊娠前の様子と異なる場合には早めの精神科受診が望ましいと考えます。
――現場の助産師さんが周産期メンタルヘルスで特に困っていることや悩んでいることは、どんな点だと感じますか。
精神科受診を提案してよいのか、どこに紹介すればよいのか、本人が受診を拒否している場合はどうすればよいのか、悩ましいと思います。
確かに「精神科受診」のハードルは高く、本人がメンタルヘルスの不調を認めたくなかったり、乳児を連れての受診が困難であることも多いと思います。近隣の精神科クリニックはどこも予約待ちがあってすぐに診てもらえない場合もあるでしょう。そのような場合、どうすればよいのかをセミナーでお伝えできればと思います。
今回のセミナーの内容の中から、「受けてすぐ現場で使える」具体的な対処法を一つ教えていただけないでしょうか。
まずは「聴く」「寄り添う」ことです。すぐに「評価」も、「解決策の提示」もしないことが大切だと思います。
私たちが「あなたの気持ちを理解したいと思っている」ことが伝わるように接し、「死にたいと思ってはいけない」ではなく、「死にたいぐらい辛かったのですね」と気持ちを理解する姿勢を示すことが求められています。
受講を迷っている助産師さんへ向けて、一言メッセージをお願いします。
妊産婦さんの一番そばにいて「寄り添ってくれる存在」は助産師さんだと思います。ぜひメンタルヘルスケアについて知り、明日からの臨床に生かしてください。
清野仁美
兵庫医科大学 精神科神経科学講座 講師
2000年兵庫医科大学卒業ののち、同大学精神科神経科学講座に入局。2015年から同大学講師を務める。女性たちが、妊娠・出産・育児を通して、メンタルの不調やさまざまな困難を抱えながらも、素晴らしい母親になっていく姿に感銘を受けたことをきっかけに、周産期メンタルヘルスをこころざす。おもな資格・専門医として、医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、臨床心理士、公認心理師。

▼<プログラム>
・周産期メンタルヘルスを、どうして助産師が学ぶ必要があるのか?
・妊婦健診、産婦健診、助産師外来で助産師に見て欲しいこと(妊産婦のスクリーニングのポイント)
・症例による解説(病態の基本/薬剤の知識/本人・家族への説明/助産師の対応として求めること)
【疾患例】うつ病、不安症・強迫症、発達障害(神経発達症)、ボンディング形成不全…など
・精神科連携するときのコツ
・トラウマを抱えた人を支援するということ
・質疑応答
清野先生ご執筆の書籍
特集『メンタルヘルス不調・発達障害を抱える妊産婦さんの産前産後サポート』の「不安症・強迫症」をご執筆しています。
