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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:アニソコ/アニソコリー

「アニソコあります」
看護師さんなら「アニソコ=瞳孔不同」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。「アニソコリー」とも呼びます。

瞳孔不同とは、左右の瞳孔の大きさが異なる状態です。
脳神経外科病棟では、瞳孔の大きさを確認するペンライトは必須アイテムです。
頭蓋内圧が上昇すると、動眼神経が圧迫され、圧迫された側の瞳孔が大きくなります。これが、脳ヘルニア発症の有無の手掛かりになります。

「アニソコ」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「アニソコ」は、英語で「瞳孔不同」を意味する「anisocoria」をローマ字読みした略語です。
「アニソコリー」もローマ字読みなので通じません。

「anisocoria」は「アナイソコーリア(æ̀nàisoukóuriə)」が英語に近い発音です。
「anisocoria」はギリシャ語由来です。
「aniso-」は「unequal(同じでない)」、「-kor(e)」は「pupil(瞳孔)」という意味です。

「anisocoria」は医療用語なので、患者さんには使いません。
患者さんやご家族に瞳孔不同を伝えたときは、「unequal pupil size」を使います。

疾患別の瞳孔不同は、教科書に載っていましたよね。
いろんな疾患の異常な瞳孔所見が並んでいる図を覚えているでしょうか?
新人で配属された脳神経外科病棟の医師が「眼は口ほどにモノを言う」と言っていたのが今でも忘れられません。

Causes of unequal pupil size may include bleeding inside the brain, brain tumor, etc.
(瞳孔不同の原因には脳出血や脳腫瘍などがあります)





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


前回に引き続き、コーヒーつながりの名言を紹介します。
今日の言葉は、アメリカのファンタジーフィクション作家で女優のリーナ・レニー・ハイバー(Leanna Renee Hieber)の言葉です。

「scheme」は「計画」や「枠組み」という意味があり、ビジネスの現場で好まれて使われます。
朝起きたら「とりあえずコーヒー」、仕事する前に「まずコーヒー飲もう」など、みなさんも「とりあえず●●」という習慣があるのではないでしょうか?

私事ですが、毎朝夫が豆乳入りのコーヒーを淹れてくれます。
寝坊した日も「急がば回れだから、とりあえず落ち着いて飲もう」といつもどおりコーヒーを淹れてくれます。まさに、今日の言葉がピッタリなシチュエーションです。

遅刻すると一緒に働いているみなさんに迷惑をかけてしまいますが、長い人生のなかで仕事に遅刻するなんて大したことありません。それよりも焦って事故でも起こしたら大変です。
慌てたときこそ深呼吸、「とりあえずコーヒー、考えるのは二の次にしよう」を心がけています。
みなさんの、“●● first, schemes later”は、何でしょうか?

お体のことを考えて“とりあえずタバコ”、“とりあえずお酒”は控えめにしてくださいね。

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。