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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:ハルーンとコート

「どれくらいハルーン出てる?」「ハルーンとコートの記録書いといてね」。
看護師さんなら「ハルーン=尿」「コート=便」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
記録にはハルーンは「Hr」、コートは「Kot」を使います。
アルファベットを使っているしハルーン(Hr)、コート(kot)はそのままでも通じる英語なのでは、とみなさん思っていませんか?

「ハルーン」と「コート」は、ドイツ語が由来です。
英語で尿は「urine」です。最初の「ユ」にアクセントを置いて「ユーリン(jˈʊ(ə)rɪn)」が英語に近い発音です。
英語で便は「stool」です。
「ストゥール(stúːl)」が英語に近い発音です。

日本語には排泄に関する言い方が多々あります。
もちろん、英語にもさまざまな表現があるのですが、教科書はあまり教えてくれません。
そこで今日は、排泄にかかわる代表的な英語表現を紹介します。
まず、子どもに「おしっこ」というときは「pee(ピー)」、「うんち」は「poo(プー)」や「poop(プープ)」を使います。
「ピー」と「プー」なんてかわいらしいですよね。

医療現場で使えるフォーマルな便の表現は、「stool」「feces(フィーカス)」「bowel movement(バァーウ ムーヴメント)」などです。
「bowel movement」は「腸の動き」という意味ですが、これは「排便」をさしています。
私たちが、排便を「お通じ」と婉曲していう言い方と似ているかもしれませんね。
反対に、「うんこ」や「くそ」にあたるうんちのスラングは、「shit」「crap」「dump」があります。
患者さんが使うことはありますが、医療者が使うのはNGです。
日常生活では、排尿を「No1」、「排便」を「No2」と言ったりします。
これは、日本の「小」「大」という表現と似ているかもしれません。
公共の場では、排泄についてあまり直接的な言い方を避ける傾向は、日本もアメリカも共通しているようですね。

Please get your urine sample.
(採尿をお願いします)

「get」は「collect」に置き換えてもいいでしょう。

Do you see blood in your stool?
(便に血が混じっていませんか)

もう少しカジュアルに「うんち」と伝えたいときは「stool」を「poop」に置き換えてもいいでしょう。





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


「幸運は不幸の衣装をまとってやってくる」という言葉をアメリカで何度も経験しました。
突然解雇されても、家をなくしても、車が大破しても、信頼していた人にお金を盗まれても、それ以上に幸せな出会いがあり、人の優しさがあり、感謝あふれる出来事がありました。
それは、日本に帰ってきてからも同じです。
災いはつらく苦しい真っ暗なトンネルのようです。
私は、自律神経のバランスが崩れ不眠症に悩みました。
でも、今思うことは、あのときの経験は今の自分に必要だったということ。

暗いトンネルの中で悩んでいるあなたへ
「A blessing in disguise」

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。