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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:チアノーゼ

「チアノーゼ出てる、すぐバイタル測って」
看護師さんなら「チアノーゼ」=「皮膚が青っぽく変色すること」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
チアノーゼは、酸素不足により皮膚や粘膜が青紫色に変化する症状をいいます。ふだん、私たちの唇や爪の色はピンク色ですが、チアノーゼが出現すると青っぽい紫色になって顔色が見るからに悪くなります。例えば、冷たいプールに入ったときや真冬に寒くてブルブルすると、唇が紫色になることがありますよね。これは、寒さで毛細血管がしまって血が流れづらくなるからです。この場合、体を温めたらチアノーゼは改善します。しかし、気道閉塞や呼吸不全など緊急性のある場合は、ただちに救急処置が必要です。

「チアノーゼ」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「チアノーゼ」は、ドイツ語の「Zyanose(ツィアノーゼ)」が由来です。
「チアノーゼ」は、英語で「Cyanosis」です。
最初の発音は「チ」ではなく「サイ」と発音して「サイアノーシス」が英語に近い発音です。
さて、皮膚の色のアセスメントは、貧血による顔面蒼白、酸素不足によるチアノーゼ、やけどや炎症による発赤やその程度の評価など、日々の看護に必要な情報ですよね。

でも、もともと肌の色が黒っぽい(dark skin)アフリカ系などの患者さんが運ばれてきたらどうでしょうか?
ちょっと困りますよね。
それもそのはず。日本の教科書には、現場で使える黒色人種の皮膚アセスメントはほとんど載っていません。

海外の教科書を読んでみると、以下のようなアセスメント方法が載っていました。

dark skinの患者さんの場合、貧血やチアノーゼの評価は眼瞼粘膜や舌の色を確認します。
舌や口の周りが灰色や白みがかっている、眼瞼粘膜が灰色や青っぽかったらチアノーゼのサインです。
初期の褥瘡に関しては、色の評価が難しいので触診や皮膚温などを総合的に評価する必要があります。

dark skinの患者さんのチアノーゼは、青色ではなく灰色なんですね。
実際、画像でみると本当に灰色でした。
もし、dark skinの患者さんに対応する機会があったら、標準スキンアセスメントは使えないことを思い出してくださいね。

• Your lips and fingers turn bluish.
(唇や指が青っぽくなってます)

※「cyanosis」は医療用語のため患者さんに症状を伝えるときは「turn blue」「turn purple」「turn gray」など「turn+色」を使いましょう。色に「-ish」をつけると「~っぽい」という意味になります。





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


前回紹介したアメリカでもっとも信頼されるリーダーシップ論の権威・世界一のメンターと称される自己啓発作家・牧師の「John Maxwell(ジョン・マックスウェル)」の言葉です。
今日の言葉は、彼の著書『Success, One Day at a Time』に出てくる「成功への7つのステップ」の1つです。
「成功は1日にしてならず」は、誰もが納得する言葉ですよね。
成功や夢に向かって前進するための心構えや行動が7つにまとめられているのですが、そのなかで私が一番気になったステップを今日の言葉に選びました。

人の努力は見えづらいものです。さらに、世間が評価するのは結果ばかり。
東京2020オリンピックは、その典型例といえるのではないでしょうか?
メダルの数ばかりが注目され、メダルを取らなければ選手ばかりかそのスポーツすら評価されない。努力を積み重ねて選手に選ばれたはずなのに、その努力が評価されるのはメダルを取った選手ばかり……。

「メダルを取らなきゃ意味ないな」と4位の選手に言い放った高齢の患者さんがいました。私は、心の底からこみあげてくる怒りを抑えるのに必死でした。
オリンピックというゴールに一点集中し、昼夜問わず練習に励み、遊びたい年ごろなのにそのほとんどを断って苦しみに耐えた。その努力の結晶が4位だと意味がないだと!?

残念ながらそんなことを言う大人は少なくありません。
「若いときの苦労は買ってでもしろ」という言葉を聞いたことはありますか?
「若いときに苦労を重ねていれば、年を取ったら人生楽になる」と勝手に解釈していました。
でも、年を重ねて思います。
自分が苦労していないと人の苦労はわからない。人の苦労が見えない大人にはなるな、ってことも含まれているのかなって。
成功を収めた人は、少なからず自分の遊びや喜びを犠牲にして努力を重ねて苦しんだ経験をもった人たちだと、私は思っています。だから、彼らの生きざまは魅力にあふれ、人生論は心に響き、言葉は受け継がれるのです。
成功の裏には山積みの失敗があり、輝かしい功績の影にはみずから犠牲にした楽しい時間があるってことが、見える大人になりたいと思います。
そうしたらきっと、相手を不快にするような発言は控えることができるだろうし、あらゆる物事の見方が変わってくると思うのです。

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。