▼バックナンバーを読む

医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。


本日のカタカナ英語:ツッカー

「ツッカー100準備して」「5プロツッカー持ってきて」
看護師さんなら「ツッカー=ブドウ糖液」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
医療現場でよく使われる5%ブドウ糖液は「5プロツッカー」、20%ブドウ糖液は「20プロツッカー」と呼ばれています。

「ツッカー」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「ツッカー」は、ドイツ語の「糖」を意味する「Zucker」が由来です。
カルテには「TZ」や「Tz」と記載されているかもしれません。
「T」は、ドイツ語の「ぶどう」を意味する「Trauben」の頭文字です。
ちなみに、「5プロツッカー」の「プロ」は、ドイツ語で「パーセント」を意味する「Prozent」が由来です。
「5プロツッカー」は「日本語+ドイツ語」の日本でしか通用しない造語です。

「ツッカー」は、英語で「Dextrose」です。
最初の「デェ」にアクセントを置いて「デェクストロース(dékstrous)」が英語に近い発音です。

さて今日は、海外の医療現場で一般的に使われる代表的な点滴の略語4つ(D5W/NS/1/2NS/LR)を紹介しましょう。

①D5W

これが今日紹介した「5プロツッカー」の英語版の略語です。
「D5W」は「Dextrose 5% in Water」の頭文字をとって「ディー・ファイブ・ダブリュー」と呼びます。
「10%ブドウ糖液」は「D10W(dextrose 10% in water)」
「20%ブドウ糖液」は「D20W(dextrose 20% in water)」
「50%ブドウ糖液」は「D50W(dextrose 50% in water)」です。

②NS

「NS」は「生理食塩水(生食)」の略語です。
「NS」は「Normal Saline」の頭文字ですが、呼び名は「エヌ・エス」よりも「ノーマル・セイリーン」のほうがよく使われている印象があります。
ちなみに、生理食塩水は0.9%の食塩水なので、「NS」=「0.9%NaCl」です。

③1/2NS

「NS」は「Normal Saline」の略語でしたね。その半分なので0.45%の食塩水の点滴です。
高ナトリウム血症や非ケトン性高血糖性昏睡の治療に使われます。
「1/2NS」は「ハーフ・ノーマル・セイリーン」です。

④LR

「LR」は「乳酸リンゲル液」の略語です。
代表的な乳酸リンゲル液といえば、ラクテックやソルラクトでしょうか。
乳酸リンゲル液は、KとCaが追加されNSよりも補液効果の高い輸液です。
「LR」は、「Lactated Ringers」の頭文字です。呼び名は「リンゲル」ではなく、「ラクテイティドゥ・リンガーズ」または「エル・アール」です。日本人の苦手な「エル・アール」がもろに略語になっていますね。

カルテに記載されていることもあるので、覚えておくと役に立つかもしれませんね。

• Dextrose 5% in water is used to treat low blood sugar, shock, or dehydration.
(5%ブドウ糖液は、低血糖やショック、脱水などの治療に使われます)




30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


「Anonymous(読み人知らず)」の言葉です。
怒られて落ち込んだり、ムカついたり、ツイていなかったり……。“なんかいい日じゃないな~”って思う日はだれにでもありますよね。
昨日起こったことはもうどうにもならないのに、次の日も引きずってなんだか気持ちがどんより……なんて経験はありませんか?

私はしょっちゅうそんな日がありましたが、そんなに悪いこととは思っておらず、自分の性格だから仕方がないと思っていました。
でも、今日の言葉に出会ってハッと気づきました。
「ruin」です。
「ruin」とは「台なしにする」「破壊する」などという意味です。
自分がやっていることは性格の問題ではない。貴重な時間を自分で台なしにしているんだと気がつきました。
どうせ数年後には名前さえ思い出せない人くらい遠い存在になる人に、大切な有限の時間を奪われるなんて、これ以上無駄なことはないのです。今でも、人間関係でイヤな思いをすることはありますが、「イヤな人はいずれ消えるから気にしない」というメンタルで貴重な時間の無駄遣いをしないように心がけています。

みなさんもイヤなことに心を奪われる“時間の無駄遣い”にはご注意ください。さっさと「Let It Go」ですよ。

------------------------------------------
佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。