▼バックナンバーを読む

医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:デコる

「あの患者さんデコったみたい」
看護師さんなら「デコる=心不全になる」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
日常会話では「デコる」=「デコレーションをする」という意味で使いますが、装飾することではありません。

「デコ(る)」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「デコる」は、英語で「代償不全」を意味する「decompensation(ディコンペンセイション)」の「deco-」をローマ字読みして、最後に「る」をつけて動詞化したものです。前回紹介した「アポる」と同じような組み合わせの造語です。

「デコる=心不全になる」と紹介しましたが、この場合の心不全は「急性非代償性心不全(Acute Decompensated Heart Failure)」です。安定した状態から急激に状態が悪化するので、「デコる」はいわゆる「急変」を意味します。外来患者さんであれば緊急入院です。
ちなみに、「非代償性」は黄疸、腹水、肝性脳症が認められる肝硬変にも使われる言葉ですが、「デコる」は心不全にしか使いません。





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


「時間がない」「忙しい」
医療現場で働いていると、毎日のように耳にする言葉ですよね。

「日々仕事に追われ、駒のように働き、あっという間に30代」は、自分に降りかかった現実でした。“アメリカで看護師になりたいけど、英語勉強する時間がない……”と嘆いていたとき、ロサンゼルスの病院で血液内科に勤務されている日本人看護師さんとお話しする機会に恵まれました。彼女は、自閉症の子どもを育てながら英語と看護師資格の勉強を続け、何年もかけて正看護師資格取得に至った経緯を教えてくれました。

そのときの衝撃は、言葉では表せません。
どれだけ苦労されたんだろうと想像するだけで胸が苦しくなる感覚。
そして、「時間がない」と言い訳ばかりしていた自分への恥ずかしさと腹立たしさに、涙を抑えることができず、泣き崩れてしまいました。

そのとき、彼女が私にくれた言葉が「今日の言葉」です。

彼女の言葉があって、私は日勤終わりに病院の図書館で21時まで勉強して帰る日課を作り、休日は必ず半日図書館にこもりました。
そして、その1年後に渡米というスタートラインに立てたのです。
時間は1日24時間平等に与えられています。でも、自分のために時間を作るかどうかは、自分次第です。
「時間がない」ではなく、「時間はある、作ればある」に口ぐせを変えてみませんか?
言葉の恩恵というのは想像以上に大きく深いので、おすすめですよ。

------------------------------------------
佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。