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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:ポリープ

「ポリープを2カ所取りました」
ポリープは、医療者のみならず一般の方でも耳にしたことのある言葉ですよね。
ポリープとは、粘膜から盛り上がったイボ状のものすべてを指す総称です。
下部内視鏡検査で見つかる大腸ポリープは、よく耳にしますよね。

「ポリープ」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「ポリープ」は、英語で「polyp」です。
英語由来ですが、そのままでは通じません。
最初の「ポ」にアクセントを置いて、最後の「プ」は破裂音で終わるように「ポリープゥ(pɑ́lip )」が英語に近い発音です。

私は、この「polyp」が通じなくて本当に苦労した経験があります。
「ポリープ」を英語らしく発音したところでまったく通じず、同僚にあきれられて「書け」と言われる始末……。「polypすらまともに発音できない」と、かなり落ち込みました。
内視鏡センターに勤務しながら「polyp」が発音できないのはかなり致命的だったので、何度も練習した思い出深い英単語の1つです。

•You need a surgery to remove polyps in the colon.
(大腸ポリープを取り除く手術が必要です)





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


「相対性理論」で知られる理論物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)の言葉です。
情報過多の時代、情報と知識を混同していると危険です。
ひと昔前は、情報を持つことに価値があるといわれていましたが、そんな時代は終わっています。
今は、iPhoneやSmartphoneがあれば、情報は無限に手に入りますからね。
今日の言葉「the only source of knowledge is experience」の前には、「Information is not knowledge(情報は知識ではない)」という一文があります。
無限の情報を片手に握りしめていても、それはたんなる情報です。
情報は、活用・実践という経験を通して、はじめて知識になります。
価値があるものは情報ではなく、必ず行動が伴う知識であることを忘れてはいけませんね。

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。