荒川 弘之 あらかわ・ひろゆき
エルムスユナイテッド未来医療研究所
代表取締役所長・社長/
エルムスユナイテッド動物病院グループ


藤間 裕子 ふじま・ゆうこ
エルムスユナイテッド未来医療研究所
取締役・事業統括部門長/
エルムスユナイテッド動物病院グループ


宮﨑 徹 みやざき・とおる
一般社団法人AIM医学研究所 代表理事・所長


定期的な検査が重要


 症状のみでの早期発見は困難
ネコのCKDにおいて、血清クレアチニン(Cr)値が基準値を逸脱して上昇する段階では、GFRはすでに正常時の25%まで低下していることが多いといわれています。すなわち、症状があきらかになった時点で腎機能は相当喪失されており、症状のみでの早期発見は困難です。そのためネコのCKDでは、症状だけでなく検査による評価が重要です。

 ネコのGFR測定の現状
現在、ネコのGFR測定は、日常の獣医療での使用はむずかしく、研究手段としてしか用いられていないのが現状です。しかし、早期の腎機能低下の検出として、尿比重の低下や、対称性ジメチルアルギニン(symmetric dimethylarginine;SDMA)の上昇、画像検査での異常はクレアチニン値の上昇に先行して認められるため有用です。
近年、筆者らはステージ4に近づいていることを察知するマーカーとして、血中のインドキシル硫酸値が有用であることも報告しています1)。

CKDの早期発見のために

このようにネコのCKDは、「症状が出にくく、出たときには進行している」という特徴をもつ、症状と腎機能の乖離を意識することが大切な疾患です。日ごろからの飲水量や尿量、体重の把握、定期的な健康診断が早期発見につながることを、獣医療者は飼い主にていねいに伝えていくことが重要といえるでしょう。

引用・参考文献
1)Tezuka, T. et al. A clinical impact of apoptosis inhibitor of macrophage on feline chronic kidney disease. Vet. J. 315, 2026, 106545.

今日のがんばる家族



名前 ▶ 白玉
性別 ▶ メス
年齢 ▶ 7歳
種類 ▶ ミックス(白三毛猫)
腎臓病歴 ▶ 1年

生後4か月くらいで保護しました。人間にも先住の犬・猫にも臆することなく甘え、みんなにかわいがられて育ったわが家のアイドルです。

生まれつき肺に疾患はあるものの、元気に過ごしていましたが、1年前にCKDと診断されました。それ以来、1日おきの点滴と毎日の腎臓 の薬を飲んでおり、クレアチニンの数値は4.5~5.0mg/dLを推移しています。

白玉の猫生が一日でも長く、穏やかであってほしいと切に願う日々です。(宮城県/コトラママ)



「透析ケア」2026年32巻10号より再掲


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*2025年6月当社調査