みなさん、こんにちは。
先日、当ステーションでセルフコンパッションの勉強会を行いました。参加してやっぱりこれって私たちにすごく大事!と思えました。今日はそのセルフコンパションについて書いていきます。
優しさの身代わりになっていませんか?
精神科訪問看護の玄関を開けると、そこには利用者さんやご家族の苦しみ、焦り、孤独感など、さまざまな強い感情が渦巻いています。「なんとかしてあげたい」と願う真面目な看護師ほど、相手のしんどさを自分のことのように背負い込み、気づけば心がヘトヘトになってしまうものです。
新人の皆さん、「もっとがんばらなきゃ」「こんなことでへこたれていてはプロ失格だ」と、自分を厳しく責めていませんか? 利用者さんに「自分を大切にしてくださいね」と伝える私たちですが、実はいちばん自分を後回しにしているのは、私たち看護師自身かもしれません。
セルフコンパッションは、プロとしての心のスタミナ
セルフコンパッションとは、ひとことで言えば「大切な友人が落ち込んでいるときと同じように、温かい目線で自分自身に寄り添うこと」です。
訪問看護で予定どおりにケアがいかなかったとき、うまく傾聴や対話ができなかったとき、「なんて自分は無力なんだ……」と責めるのを、まずは一度やめてみましょう。
「初めての現場、焦るのも無理ないよ」「一生懸命やろうとしたからこそ、悔しいんだよね」と、自分の心に余裕をつくり、そのままの自分を認めてあげましょう。
自分を労わることは、決してサボりでも甘えでもありません。
私たちがプロフェッショナルとして、長く、健康に「伴走」を続けるための、不可欠な心のスタミナです。
私たち看護師の心のゆとりこそが、よいケアにつながる
なぜ、看護師へのセルフコンパッションがそれほど大事なのでしょうか。
それは、私たちの心の状態が、鏡のように利用者さんに伝わるからです。
看護師が「あれもこれも解決しなきゃ」と自分を追い詰め、ガチガチの鎧を着て訪問すると、その緊張感は利用者さんをピリピリと緊張させてしまいます。最悪の場合、それが拒絶につながってしまうことさえあります。
逆に、看護師が自分自身を許し、心にぽっかりとした余裕とユーモアを持っていると、その温かい空気がその場を包み込みます。
「全部を問題として見ない、これであっても大丈夫」という対等な眼差しは、看護師自身が自分の不完全さを許せているからこそ、初めて目の前の人にも向けられるものなのです。
ともに不完全さを認める
私たちは、神様でも完璧な治療者でもありません。それぞれに悩んだり失敗したりする、地続きの一人の人間です。
「私も失敗します。あなたもうまくいかない日がある。お互い人間だもん、いろいろありますよね」
そうやって、お互いの不完全さを笑い合える関係こそが、精神科訪問看護の本質ではないでしょうか。
自分に優しくなれて初めて、本当の意味で相手の人生に伴走できるようになると思います。
新人さんへ:今日の訪問終わりに、自分を褒めてほしい
明日からの訪問で、もしうまくいかないことがあっても、どうか自分を責めないでください。
まずはステーションに戻る道すがら、深呼吸をして「今日も無事に訪問へ行って、帰ってきた。それだけで100点満点」と、自分に声をかけてあげてください。
【まとめ】
〇「余裕」「問題として見ない」「お互いさま」といった、これまでの大切なキーワードが、すべて「自分を大切にする(セルフコンパッション)」という土台から生まれている。
〇自分を労わることに罪悪感を感じるのを手放すことが、プロのスキルとしての重要性。
私は、最近はおいしいコーヒーを探して出かけたり、花を眺めて花の絵を描いたりし、ゆっくり過ごすようにしています。余裕が気持ちのなかにできて、支援もゆるやかになって気がしています。ではまた。
訪問看護ステーションふく・ふく代表・管理者/精神科認定看護師
精神科看護に長年魅了されています。地域で水が流れるように精神科看護を浸透させたい!そんな思いで2023年8月に訪問看護事業所を立ち上げました。
訪問看護につながる手前の方にも、よくお話をしに伺います。人生をどのように過ごしたいか、希望はなにか?そんなことを会話のなかから探り、ストレングスの視点でかかわることが大好きです。精神科看護に魅了され、わくわく働ける看護師を多く育成したいと思っています。
時間があると登山をしながら日本中を旅しています。四季折々の日本の山々に包まれて至福のときを過ごしています。
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