みなさん、こんにちは、いつも楽しみにして読んでくださり、ありがとうございます。読んだよ!と声をかけていただくこともあり、励みになっています。感謝しています。

さて、今日は「鈍感力」について書いていきます。利用者さんの言葉、表情の変化に素早く気がつき、アセスメントする。そしてケアに展開する力が看護師は求められています。しかし、そのことで自分が疲弊してしまう場面もあると思います。バランスが大事です。鈍感力、つけていきましょう。

訪問が終わったあと、一人で反省会を開いていませんか?

毎日、利用者さん一人ひとりの人生や豊かな感情に触れ、「どうすればもっと心を開いてくれるだろう」「今日のあの言葉、傷つけてしまったかな…」と、一生懸命に向き合っていることと思います。 しかし、真面目で優しい看護師さんほど、こんな悩みを抱えがちです。

•利用者さんの強い言葉や不機嫌な態度を、すべて「自分のかかわり方が悪かったからだ」と受け止めてしまう
•訪問が終わった後も、帰宅してもまだ利用者さんの感情を引きずり、夜も眠れなくなる
•利用者さんの不安や怒りの波に巻き込まれて、自分まで精神的に疲弊してしまう

もし今、あなたがそんな風に胸を痛めているなら、まずはお伝えしたいことがあります。「あなたがそこまで悩むのは、目の前の人に本気で向き合っている素晴らしい証拠ですよ」 でも、同時に知ってほしいことは、
「精神科訪問看護を長く、そしてプロとして続けやすくなるためには、看護技術と同じくらい大切な『よい意味での鈍感力』をつけましょう」です。

精神科訪問看護における「よい意味の鈍感力」とは?

「鈍感」と聞くと、冷たい感じや無関心な印象を受けるかもしれません。しかし、ここでいう鈍感力とは、決して投げやりになることではありません。「自分と相手の間に、やわらかい境界線を引く力」のことです。
精神科訪問看護には、いくつかの大きな特徴があります。

① 利用者さんの言葉は「あなた個人」に向けられたものではない
訪問先でぶつけられる強い言葉や拒絶、不機嫌な態度。それらは、あなたという「個人」に向けられたものではなく、「病状による生きづらさ」や「抑えきれない不安や葛藤」が、たまたまいちばん近くにいたあなたを通して外に出てきただけということがほとんどです。

それを「私が下手だったからだ」と100%真に受けて自分を責める必要はありません。「あ、今日は病状の波が少し高いんだな」「胸のつかえを吐き出せているんだな」と、一歩引いて、サラリと受け流す「スルー力」を持っていいのです。

② 100点満点の正解を求めない
精神科訪問看護にただ一つの正解はありません。 完璧な声かけをしようと力むほど、相手もその緊張感を察知します。「今日はうまく話せなかったな」「沈黙が続いちゃったな」と思っても、「まあ、今日も顔を合わせられたからよし!」と、60点くらいで自分に合格点を出せる鈍感さが、結果としてお互いのリラックスに繋がります。

今日から使える「引きずらないための3つのコツ」

1つめのコツ
終業、ステーションのドアを出たら「はい、ここで切り替え!」

訪問が終わったら、深呼吸をひとつ。ステーションのドアを出た瞬間、あるいは車・バイクに乗った瞬間に「今日の訪問はここまで!」と心のなかでスイッチをオフにしましょう。

2つめのコツ
「私のせい」ではなく「病状や環境のせい」と捉えてみる

うまくいかなかったときは、自分の人格やスキルに原因を探すのではなく、「気圧のせいかな」「薬の調整時期だからかな」と、一度、自分の外側に理由を置いてみてください。すこし気持ちが楽になると思います。

3つめのコツ
抱え込まず、先輩に「聞いて〜!」と聞いてもらうこと

モヤモヤした感情を自分のなかに溜め込むと、毒になってしまいます。ステーションに戻ったら、「今日こんなこと言われちゃって凹みました〜!」と笑い話にして先輩たちに差し出してください。モヤモヤは手放せます。

おわりに

そのままのあなたで、大丈夫

最初から完璧に境界線を引ける看護師はいません。みんな、たくさん悩んで、傷ついて、失敗しながら、少しずつ「自分を守る鈍感力」を身につけていくのです。

あなたは一人ではありません。ステーションには、あなたを温かく見守り、フォローしてくれる仲間や先輩がいます。 肩の力を少し抜いて、深呼吸をして。
明日もまた、あなたらしい笑顔で、一歩を踏み出していきましょう!

今日も読んでくださり、ありがとうございました。





社本昌美
訪問看護ステーションふく・ふく代表・管理者/精神科認定看護師
精神科看護に長年魅了されています。地域で水が流れるように精神科看護を浸透させたい!そんな思いで2023年8月に訪問看護事業所を立ち上げました。 訪問看護につながる手前の方にも、よくお話をしに伺います。人生をどのように過ごしたいか、希望はなにか?そんなことを会話のなかから探り、ストレングスの視点でかかわることが大好きです。精神科看護に魅了され、わくわく働ける看護師を多く育成したいと思っています。
時間があると登山をしながら日本中を旅しています。四季折々の日本の山々に包まれて至福のときを過ごしています。

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