呼吸管理を行う医療チームで活躍

高齢化の進展と医学の進歩によって高度医療が適応される場面が広がり、それにともなって重症患者管理の必要性が高まっています。呼吸療法は、重症患者管理の柱の1つとして重要性が高まる一方です。それに対して、吸入療法や酸素療法、呼吸理学療法、人工呼吸などに精通した医療従事者はまだまだ不足しています。

そこで日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会によって呼吸療法に関する知識や技術を認定するのが、3学会合同呼吸療法認定士の資格です。制度は臨床工学技士、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士を対象としており、有資格者はそれぞれの職種における呼吸療法を習熟し、呼吸管理を行う医療チームのメンバーとして活躍することが期待されています。

資格の取得には、対象となる職種で所定期間の実務を経験したうえで認定講習会を受講し、認定試験を受験します。資格取得後は5年ごとに更新を行います。2022年に実施された第27回認定試験の終了時点で、合格者は累計59,292人。そのうち49.5%にあたる29,336人を看護師が占めています。

資格取得情報

■資格取得とその後の流れ
(1)認定講習会に参加する
(2)認定試験を受験し、合格する
(3)5年ごとに更新を行う

■認定講習会・受講資格
次の(1)、(2)をともに満たす者
(1)次のいずれかの免許および実務経験年数を有する者
・臨床工学技士 2年以上
・看護師 2年以上
・准看護師 3年以上
・理学療法士 2年以上
・作業療法士 2年以上
(2)申請書類提出日から過去5年以内に、認定委員会が認める学会や講習会などに出席し、12.5点以上を取得している者

■認定試験・受験資格
次の(1)または(2)を満たす者
(1)認定講習会を受講した者
(2)認定講習会受講免除者:「認定講習会」を受講した年度を含めて3年間は受験資格が与えられます。

■日程・費用<認定講習会>※2023年の場合
◎eラーニングのみ
・開催時期:2023年9月4日(月)~29日(金)
・定員:3,000人
・受講料:20,000円
◎会場+eラーニング
・開催時期:[会場]2023年8月26日(土)~27日(日)、[eラーニング]2023年9月4日(月)~29日(金)
・定員:350人
・受講料:30,000円
・会場:ベルーサル新宿グランド(東京都新宿区)

■日程・費用<認定試験>※2023年の場合
・日程:2023年11月
・会場:東京都内 ※詳細は6月下旬に発表(予定)
・受験料:10,000円

■有資格者・試験の状況
◎第27回(2022年)認定試験実施状況
・受験者数:3,868人
・合格者数:2,648人
・合格率:68.5%
◎医療資格別合格者数内訳(第27回(2022年)終了時点)
・臨床工学技士:7,496人(12.6%)
・看護師:29,336人(49.5%)
・准看護師:511人(0.9%)
・理学療法士:19,685人(33.2%)
・作業療法士:2,264人(3.8%)
・合計:59,292人

■認定更新制度
・更新の条件:所定の学会・講習会などへの出席および論文発表などによって総得点50点以上を取得し、取得点数証明書などの必要書類一式を提出する。
・更新審査手数料:3,500円

問い合わせ先

3学会合同呼吸療法認定士認定委員会事務局
〒113-0033 東京都文京区本郷1-28-34 本郷MKビル 2階
公益財団法人 医療機器センター内
Webサイト:https://www.jaame.or.jp/iryo/kokyu/
Email:kokyu-m@jaame.or.jp

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