呼吸ケアに関する最新の基礎的知識と臨床的技術を取得
呼吸器疾患や心疾患のある患者に対して、幅広い知識と技術をもって診断と治療を提供する、職域横断的な医療専門分野である呼吸ケア。狭義では、主に急性期(救急、救命)・集中治療(ICU・IRCU)における人工呼吸管理を行い、集学的な知識と技術を駆使して亜急性期以降につなぐ診断分野と医療のことを指します。
近年では呼吸ケアの定義は広がっており、呼吸関連の疾病・異常に対する治療はもちろんのこと、予防、急性期治療から慢性期治療、在宅医療や社会生活の維持など、呼吸に関わるすべての事象に対して行う包括的な医療・看護・介護・社会的支援を指して、広義の呼吸ケアと呼びます。
そのため対象となるのは、呼吸器疾患だけでなく、呼吸不全をきたすすべての疾患や病態から、呼吸に関わる支援を必要とする他臓器の疾患まで、幅広い疾患を有する患者となります。
呼吸ケア指導士は、呼吸ケアに関する最新の基礎的知識と臨床的技術を取得し、地域において呼吸ケアの指導的な役割を担うことができる人材を認定する資格制度です。日本呼吸ケア・リハビリテーション学会が2013年から認定を行っており、有資格者は呼吸障害をもつ人々に対する継続ケアをチーム医療のなかで実践することが期待されています。
資格には「初級呼吸ケア指導士」と「上級呼吸ケア指導士」があります。初級は「患者教育者レベル」とされ、基本的な知識と基本的な技術を取得し、標準的な呼吸ケアを提供できる能力を備えていることが認定されます。「地域指導者レベル」とされる上級は、より専門性の高い知識と技術を取得し、水準の高い呼吸ケアを提供でき、なおかつ関連医療者を指導できる能力を備えていると認定されます。上級の認定を受けるには、初級の資格を持っていることなどが条件になっています。
資格取得情報 ※2023年度・初級の場合
(1)日本呼吸ケア・リハビリテーション学会に入会し、申請に必要な会員歴を保持する
(2)認定講習会や学術集会への参加、学術論文の発表などを行い所定の単位を得る
(3)必要書類を提出し、認定審査を申請する
(4)5年ごとに更新する
下記(1)~(5)のすべてを満たすこと
(1)日本呼吸ケア・リハビリテーション学会の会員歴が4月時点で3年(36カ月)以上あること
(2)日本呼吸ケア・リハビリテーション学会入会以降に研修単位50点を取得していること
(3)非喫煙者
(4)下記のうちいずれかの資格を持つこと
〇医師・歯科医師 〇看護師 〇准看護師 〇理学療法士 〇作業療法士 〇栄養士・管理栄養士 〇薬剤師 〇言語聴覚士 〇歯科衛生士 〇臨床工学技士 〇臨床検査技師 〇介護福祉士 〇その他、呼吸ケア指導士認定委員会が認めたもの
(5)規定年数の会費を納入していること
書式や対象となる認定講習会、学術集会などの詳細はホームページ参照
(1)日本呼吸ケア・リハビリテーション学会会員氏名・会員番号等を記載する書式
(2)取得した単位を記載する書式
(3)認定講習会、学術集会の参加証明書の写し
(4)学術集会での筆頭演者を証明するページの写し
(5)学会誌での発表論文筆頭著者もしくは共著者を証明するページの写し
(6)呼吸ケア指導士認定制度規則第6条に記載の保有資格の証明の写し
(7)認定審査料振込証明の写し
◎日程
・申請受付期間:2023年4月1日~2023年6月30日(消印有効)
・審査結果通知:2023年11月頃
◎費用
・認定審査料:10,000円
・更新時期:5年ごと
・条件:呼吸ケア指導士認定委員会が指定した生涯教育セミナーなどに参加し、所定単位50点以上(初級呼吸ケア指導士)を取得することなど
・更新方法:認定申請時と同様の必要書類を提出し、審査を受ける
・資格更新審査料:10,000円
問い合わせ先
一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 事務局
〒113-0033東京都文京区本郷3-28-8 日内会館7階
TEL/FAX:03-6806-7703
E-mail:info@jsrcr.jp
Webサイト:http://www.jsrcr.jp/