病院搬送前の外傷処置を学ぶ世界的教育訓練コース

ITLS(International Trauma Life Support)は、パラメディック(救急救命士)や救急医療関係者を対象としてアメリカで1982年に始まった、病院搬送前の外傷処置教育訓練コースです。アメリカ救急医学会と救急医協会の後援を受け、現在、世界27カ国で正式コースが開催されています。

ITSLコースでは、迅速な観察・蘇生・固定・搬送に必要な処置を学ぶことができます。学びの内容や習得する知識・スキルによって、以下のコースが設けられています。

◎Basic(基本)プロバイダーコース
病院前救護にかかわるすべての人が習得すべき知識と体得すべき技能を盛り込んだ活動指針を学びます。現在、コースの開催や資格の取得はJPTECとして行われています。

◎Advanced(応用)プロバイダーコース
アメリカのパラメディックを対象としたコースとまったく同じ内容で構成。2日間の講座は、座学と実技が半々。輸液や気管挿入に加えて、緊急脱気、気管切開、骨髄穿刺なども学ぶことがでます。

◎Pediatric(小児)プロバイダーコース
小児に特化した外傷初療を学ぶコース。小児に対する正しい観察方法や観察手順、小児の外傷処置や固定方法などを学びます。

◎Accessプロバイダーコース
現場における評価から患者搬送まで系統立てた活動と最低限の資機材を使用して効率よく、迅速に救助することを目的とした交通事故に特化したコースです。午前中は講義、午後は実車を使用したスキル指導や傷病者への必要な処置、救出の優先順位を決定するトリアージなどを学びます。現場の最前線で活躍する救助隊に対しても、基本的な現場の考え方や指揮統制などを整理できる内容となっています。

◎インストラクター養成コース
ITLSの歴史や各国の支部組織、病院搬送前の外傷処置に関する最新情報などを学ぶとともに、コース運営に必要なコミュニケーション技法、ムラージュテクニックなどを学びます。コースを受講後、各コースで実際に受講生を指導し、その様子を評価されることによってインストラクターになります。

資格情報

資格の取得方法
(1)Advanced(応用)プロバイダーコースを受講する
(2)筆記試験と実技試験を受講する。筆記試験で76%以上、実技試験で大きなミスがないと合格

受講対象者
医療資格の保有者(救急隊員、准看護師を含む)

日程・会場・費用
※2023年6月実施「第19回北海道ITLS 9th Advanced Course」の場合

◎日程・会場
・開催日 2023年6月24日(土)、25日(日)
・会場 名寄市立総合病院(北海道名寄市)
◎費用
26,000円
※年間を通じて全国各地で開催。詳細はホームページ参照

問い合わせ先

ITLS日本支部コーディネーター 兼崎陽太(カネサキ ヨウタ)
PC E-mail:kenshow1@maia.eonet.ne.jp
ITLS Japan Chapter:https://itlsjapanweb.wixsite.com/itls-japan-web/
ITLS インターナショナル:hhttps://www.itrauma.org/
日本支部ホットライン :090-6675-0420