自殺未遂者への安全で標準的な初期診療を学ぶ

自殺は、その多くが追い込まれた末の死であると言われています。警察庁の調査によると、2022 年の自殺者数は 21,881 人でした。ピークだった 2003 年の 34,427 人からは大幅に減少しているものの、男性は 13 年ぶりの増加、女性は 3 年連続の増加と、コロナ禍以降増加傾向が見られています。今、自殺対策について、社会全体でのより一層の取り組みが求められています。

自殺未遂者は、その後の自殺の危険性が高いことが知られています。このため、地域の医療や福祉などを通して、自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐことがとても重要です。救急医療、精神保健福祉、そして地域医療の現場において看護師が果たせる役割は、少なくありません。

「自殺未遂者ケア研修」は、2008年に厚生労働省が主催して開始し、現在は厚生労働大臣指定法人・一般社団法人いのち支える自殺対策推進センターが主催する研修です。対象者の異なる3つの研修があり、それぞれ年間2回程度、オンラインなどで開催されています。参加費は無料で、受講者には修了証が発行されます。

以下は、看護師が受講できる2つの研修の特徴です。

資格情報

自殺未遂者ケア研修「一般救急版」
◎対象
救急医療に従事する看護師、医師、ソーシャルワーカー、救急救命士、保健師ほか地域救急医療や地域精神保健福祉に関わる方。
◎内容
臨床現場で役立つ自殺未遂者ケアのポイントを体系的に学び、多職種でのワークショップを通じてケアのあり方を実践的に習得します。

自殺未遂者ケア研修「精神科救急版」
◎対象
精神保健福祉に従事する看護師、医師、精神保健福祉士、心理士、保健師など。
◎内容
初期対応から継続的な支援まで、臨床現場で役立つ自殺未遂者ケアのポイントを、日本精神科救急学会が作成したガイドラインに沿って体系的に学ぶとともに、モデル症例を用いた多職種でのワークショップを通じてケアのあり方を実践的に習得します。

詳細や直近の開催情報については、ウェブサイトを参照。
https://jscp.or.jp/training/care-training-about.html

問い合わせ先

厚生労働大臣指定法人・一般社団法人いのち支える自殺対策推進センター
自殺未遂者ケア研修事務局

E-mail:care#jscp.or.jp (「#」を「@」に置きかえて送信ください)