心不全による増悪・再発入院を予防し、QOLの改善を支える

日本には現在、約100万人の心不全患者がいると推計されています。高齢化の進展によって2035年までは増え続けると考えられており、「心不全パンデミック」とも呼ばれる状況にあります。このような状況に対し、心不全の発症・重症化予防のための療養指導に従事する医療専門職に必要な基礎知識や技能など資質の向上を目指して創設されたのが、日本循環器学会による心不全療養指導士認定制度です。有資格者には次の5つの役割が求められています。

(1)心不全の発症・進展の予防の重要性を理解し、その予防や啓発のための活動に参画することができる
(2)心不全の概念や病態、検査、治療について理解し、それをもとに病状などを把握することができる
(3)心不全の進展ステージに応じた予防・治療を理解し、基本的かつ包括的な療養指導を実施することができる
(4)医療機関あるいは地域での心不全に対する診療において、医師や他の医療専門職と円滑に連携し、チーム医療の推進に貢献することができる
(5)心不全患者に対する意思決定支援と緩和ケアに関する基本的知識を有している

資格の取得には、eラーニングの受講、症例報告書による書類審査などを経たうえで認定試験を受験します。認定後は5年ごとに更新を行います。

資格情報

資格の取得方法
(1)日本循環器学会に入会する
(2)eラーニングを受講する
(3)症例報告書5例を登録し、受験申請を行う
(4)書類審査合格者は筆記試験を受験し合格する
(5)5年ごとに更新する

認定試験:受験資格
以下のすべてを満たしていること。
(1)看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、公認心理師、臨床工学技士、⻭科衛生士、社会福祉士の国家資格を有すること
※上記以外の医療専門職の国家資格保有者が受験を希望する場合は、学会専門医の推薦を受け、委員会が承認した者に受験資格を与える(医師は受験をすることはできない)
(2)日本循環器学会会員(正会員・準会員)であり、年会費を納めていること
※会員年数は不問。試験を受ける年度の4月1日以降の入会で可。
(3)現在、心不全療養指導に従事していること
(4)受験者用eラーニング講習を受講し、修了証を取得していること
(5)症例報告書5例を不備なく記載し提出していること
※症例報告書は、国家資格を取得後に経験した症例に限る
(6)申請書類を不備なく記載・提出し、受験料を納めていること

認定試験:日程・会場・費用 ※2023年度の場合
◎日程
・オンライン申請・症例報告書提出 2023年6月1日~7月31日
・書類発送 2023年8月1日~8月10日
・受験審査料入金 2023年8月10日まで
・認定試験 2023年12月17日 ※書類審査合格者のみが受験可能
・合格発表 2024年3月上旬 ※予定
◎会場
・47都道府県に設置
◎費用
・受験料(審査料) 15,000円(税込)

過去の認定試験における合格者の状況
◎2022年度
受験者数:2,039人、合格者数:1,871人、合格率:91.76%
◎2021年度
受験者数:1,914人、合格者数:1,649人、合格率:86.15%
◎2020年度
受験者数:1,979人、合格者数:1,771人、合格率:89.49%

更新について
・資格の有効期間 5年
・更新の条件 ①日本循環器学会会員(正会員・準会員)を資格有効期間中継続し、年会費を完納している②日本循環器学会学術集会に5年間の中で1回以上参加している③5年間で50単位以上取得している④症例報告5例の提出。詳細はホームページ参照
・費用 更新審査料10,000円

問い合わせ先

一般社団法人 日本循環器学会
〒101-0047 東京都千代田区内神田1-18-13 内神田中央ビル6F
E-mail:chfej@j-circ.or.jp
Webサイト:https://www.j-circ.or.jp/chfej