周術期診療の質の向上を支える

看護師は医師の判断・指示に基づいて補助や処置を行う際、医師の判断・指示に誤りがないかを確認しています。医師は、看護師が行った処置に誤りがないかを確認しています。このようなダブルチェックの仕組みによって安全な診療が行われています。しかし手術中の全身管理については、麻酔科医が判断と処置の両方を行うことが多く、ダブルチェックの仕組みが機能していないことも少なくありません。そこで求められるのが、麻酔科医の診療内容を十分に理解した看護師の存在です。

「周術期管理チーム」は、日本麻酔科学会が周術期診療の質の向上をめざして 2007 年から提唱してきた制度です。2014 年度からは周術期管理チームのメンバーとして、看護師を対象とした認定制度が始まりました。その後、薬剤師と臨床工学技士を対象とした認定制度も始まっています。周術期管理チーム看護師は、麻酔科医の診療内容についてのダブルチェックや周術期リスクの評価、他の診療スタッフのコーディネートなどの役割を担います。 2023 年 4 月現在、2,135 人の看護師、375 人の薬剤師、190 人の臨床工学技士が認定を受けています。

資格情報

資格の取得方法
(1)所定のセミナーや学会に参加する
(2)受験申請を行う
(3)書類審査を受け、合格する
(4)認定試験を受け、合格する
(5)登録を行う
(6)3 年ごとに更新する

申請資格
以下のすべてを満たしていること。
(1)日本国の看護師免許を有すること
(2)看護師免許を取得後、麻酔科標榜医が年間200症例以上の麻酔科管理を提供している施設での手術室または周術期管理センター等の勤務が満2年間であること。なお、麻酔科管理を提供した麻酔科標榜医の勤務形態は、その施設での常勤非常勤を問わない
(3)申請する年の3年前の4月1日から申請する年の3月31日までの間に、日本麻酔科学会が主催、または共催する周術期管理チームセミナーへの2回以上の参加実績、あるいはこれに相当するe-learning の受講実績があること
(4)申請する年の3年前の4月1日から申請する年の3月31日までの間に、日本手術看護学会が主催する年次大会(地区学会を含む)あるいは麻酔看護研修に、2 回以上の参加実績があること

日程・会場・費用 ※2023年度の場合
◎日程
・受験申請 2023年5月15日~6月30日
・受験資格有無の結果確認 2023年9月20日
・筆記試験 2023年11月18日
・合格発表 2023年12月20日
◎筆記試験会場
・東京会場:ベルサール高田馬場(東京都新宿区)
・神戸会場:神戸ポートピアホテル(神戸市中央区)
◎費用
・審査料(受験料)10,000円(税別)
・認定料(登録料)20,000円(税別)

更新について
・資格の有効期間3年
・更新の条件 ①現に周術期管理チーム看護師の資格を有し、その有効期間が終了する年度に達していること②更新申請する年の3年前の4月1日から申請する年の3月31日までの間に、教育セミナー等への参加実績があること。詳細はホームページ参照
・費用 審査料(受験料)10,000円(税別)、認定料(登録料)20,000円(税別)

問い合わせ先

公益社団法人日本麻酔科学会
〒650-0047 神戸市中央区港島南町1-5-2 神戸キメックセンタービル3階
TEL 078-304-5228(代表)
Webサイト:https://public.perioperative-management.jp/