摂食嚥下リハビリテーションの基本的な知識と技術を修得

食べ物が気道に入ることによる誤嚥性肺炎は、全死亡数のうち3.6%を占めています。その人数は56,000人以上で、日本人の死因の第6位です(※)。摂食嚥下障害はこのほかにも、飲食ができないことによる低栄養や脱水を引き起こします。また、「食べる楽しみ」が失われることで、QOLが大きく低下します。摂食嚥下障害は高齢者ほど起こりやすいため、人口の高齢化が進む日本では、予防や対策は大きな社会的テーマになっています。

誤嚥のリスクを低減する手段として期待が集まるのが、摂食嚥下リハビリテーションです。日本摂食嚥下リハビリテーション学会は、摂食嚥下リハビリテーションの基本的な事項と必要な技能を明確化し、それらの知識を修得したことの認定を目的として、日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士制度を運用しています。有資格者は、医師や歯科医師、あるいはそれに準ずるものが定めた摂食嚥下リハビリテーション計画を理解し、それに従って摂食嚥下訓練を実施すとともに、その経過や結果を指示者に報告する能力や、リスク回避に関して必要な知識と技能を備えていると認められます。

資格の取得には、日本摂食嚥下リハビリテーション学会が実施している学習プログラムを受講したうえで認定士試験を受験します。資格の取得後は5年ごとに更新を行います。

※厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計(確定数)」

資格情報 ※3級の場合

資格の取得方法
(1)日本摂食嚥下リハビリテーション学会インターネット学習プログラム(eラーニング)全課程の受講を修了する。
(2)受験申請を行い、書類審査に合格する。
(3)認定士試験を受験し、合格する。
(4)登録を行う。
(5)5年ごとに更新する。

認定士試験 受験資格
以下のすべてを満たしていること。
(1)日本摂食嚥下リハビリテーション学会会員歴が、受験年の7月31日において、2年以上であること。
(2)摂食嚥下に関わる臨床または研究歴が、受験年の7月31日において、通算3年以上であること。
(3)日本摂食嚥下リハビリテーション学会インターネット学習プログラム(eラーニング)全課程の受講を修了していること。

認定士試験 日程・費用
◎日程
・原則的に毎年12月の第1日曜日
◎費用
・受験申請料 10,000円
・認定登録料 20,000円
※認定士試験は受験申請で提出した書類の審査に合格した人だけが受験可能

更新について
・資格の有効期間 5年
・更新の条件 日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会への参加など、所定の活動による単位を取得することなど。詳細はホームページ参照。

有資格者の状況(2023年2月25日現在)
職種/人数/割合
・歯科医師/972人/25.1%
・歯科衛生士/295人/7.6%
・栄養士/389人/10.1%
・医師/292人/7.6%
・看護師/333人/8.6%
・作業療法士/79人/2.0%
・理学療法士/88人/2.3%
・言語聴覚士/1,380人/35.7%
・その他/40人/1.0%
・合計/3,868人/100.0%

問い合わせ先

一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会 事務局
〒458-0817 愛知県名古屋市緑区諸の木1-1704-202
TEL:052-848-6570
FAX:052-848-6569
E-mail:jsdr@fujita-hu.ac.jp
Webサイト:https://www.jsdr.or.jp/