中高年女性の健康課題「骨粗しょう症」。その予防や早期発見につながる検査を促すには、何が重要なのか。最新の研究で、骨粗しょう症のリスクを高く認識している女性ほど、骨粗しょう症の評価を受ける意欲が高いことがわかった。日本における女性の骨粗しょう症検診の受診率は、わずか5.4%。検診・予防行動を促すうえで、女性自身のリスク認識をどう高めるかが鍵と言えそうだ。
骨粗しょう症の評価を受ける意欲とリスク認識の関係
シンガポールの公的医療機関National Healthcare Group PolyclinicsのJacqueline Giovanna De Roza氏らの研究グループは、骨粗しょう症になるリスクを高く認識している女性や、運動のメリットを強く認識している女性ほど、骨粗しょう症の評価を受ける意欲が高いことを明らかにした。研究成果は2025年、国際学術誌『BMC Primary Care』に掲載された。
更年期世代以降の女性342人を調査
骨粗しょう症は、骨量の減少に伴い、骨組織が徐々に劣化し、骨折やそれに伴う慢性的な痛み、障害、生活の質の低下などにつながる疾患。とくに50歳以上の女性は男性に比べて発症リスクが4倍とされる。骨粗しょう症のリスクがある人を早期に把握し、骨の健康状態を評価することが推奨されているが、リスクがあっても骨密度測定などの評価を受けていない人もいる。そこで研究グループは、骨粗しょう症になるリスクの認識や、カルシウム摂取・運動によるメリットなどに対する認識が、評価を受ける意欲とどう関係するかを調べた。研究では、シンガポールの50歳以上の女性342人を対象にアンケート調査を実施。骨粗しょう症に対するリスク認識や健康に関する考え方、骨粗しょう症の評価を受ける意欲との関連を調べた。
リスク認識が「評価を受ける意欲」を高める
参加者のうち、骨粗しょう症の評価を受ける意欲があったのは約66%だった。分析の結果、骨粗しょう症になるリスクを高く認識している女性ほど、評価を受ける意欲が高かった。また、運動によるメリットを高く認識している女性でも、評価を受ける意欲が高いことがわかった。さらに、年齢や骨折歴など、複数の要因を同時に考慮して分析したところ、高齢女性ほど骨粗しょう症の評価を受ける意欲が高かった。また、骨折歴がある女性は、骨折歴がない女性に比べ、骨粗しょう症の評価を受ける意欲が高いことがわかった(オッズ比2.66※)。
※オッズ比:2つのグループで、ある結果の起こりやすさを比較する指標。2.66は、骨折歴がある女性の「評価を受ける意欲」のオッズが、骨折歴がない女性の2.66倍だったことを示す。
骨粗しょう症の予防行動促進には「リスク認識」への働きかけが重要
研究では、骨粗しょう症になるリスクを高く認識している女性や、運動のメリットを高く認識している女性ほど、骨粗しょう症の評価を受ける意欲が高いことが示された。研究グループは、こうした要因を踏まえた介入が、骨粗しょう症の予防行動を促し、評価を受ける人を増やすうえで役立つのではとみている。
女性ヘルスケア業界専門のパブリッシャー、woman’s(ウーマンズ)が運営する、女性ヘルスケア市場専門のニュースメディア『ウーマンズラボ』。カバー領域は、ニュース、業界動向、企業事例、消費トレンド、テクノロジー、調査/統計。疾病構造の変化やテクノロジーの急速な進展、生き方・働き方・価値観の多様化などに伴う、女性の健康ニーズの細分化・複雑化・複合化に、社会や企業はどう対応していけば良いのか? 常に問いを立てながら、そのヒントとなる記事をお届けしています。女性ヘルスケア市場の最新動向は「女性ヘルスケア白書 市場動向予測2026」で解説!
