これまで年間138タイトル、348会場で開催してきた「メディカセミナー」は、このコロナ禍ですべて中止となり、いまも再開できていませんが、セミナーでしかできない学びの機会を提供するため、昨年より「WEB講義」とカタチを変え1年が経過しました。
このたび、さらなる学びの機会として、オンラインセミナー『Dr.長尾が教えるやさしイイく理解できる呼吸ケア』の開催が決まり、講師の長尾大志先生(島根大学医学部附属病院)にセミナーへの“思い”を語っていただきました。
初回となるDAY1『血液ガスのみかた』は無料で受講いただけます。
Dr.長尾が教えるやさしイイく理解できる呼吸ケア
血液ガスのみかた
日時:2021年7月10日(土) 10:00~11:00(約60分)
締切:2021年7月9日(金) 昼12時まで
対象:医療従事者
定員:500名(先着順)
参加費:無料
・データはまずここをみる~みかたの順番を伝授します
・アシドーシス・アルカローシスになる原因はなに?
・呼吸性? 代謝性? どっち??
※DAY2、DAY3の詳細はページ下部をご覧ください。
※参加受付は外部サイト「PEATIX」を利用いたします。ご了承のうえお申し込みください。
※当日はZoomウェビナーを使用します。インターネットに接続可能なスマートフォン、パソコン、タブレットをご用意ください。
※インターネット接続にかかる通信費は、参加者負担となります。
Q1.ブログや書籍のご執筆、YouTubeでの配信など幅広く発信されていますが、心がけていらっしゃること、目標とされていることなどをお聞かせください。
そうですね。発信を始めて10年くらいになるんですけども、できるだけ多くの方に見ていただくことで、日本の医療自体の底上げを図っていきたいという気持ちがあります。ブログやYouTubeは無料で見られるものですし、そういうものを使ってできるだけ多くの方の目に触れ、使っていただきたいなという気持ちでやってきました。
そもそものスタートは、呼吸器内科のドクターが少ないということから始まっているのですが、少ないがゆえに忙しそうで全然聞けない、あるいは「うちの病院には呼吸器の先生がいないんです」という話を聞くことが多くて。そのため、昔の常識がそのまま持ち越されていたり、常識とは違うことがされていたりと、「そういうことがあるのか」という事例をお聞きすることがあるんですね。
そうすると、最終的には患者さんが不利益を被ることになると思っています。ですから、なるべくそういったようなことが少なくなればいいなぁという気持ちで日々やっております。
Q2.長年、看護セミナー講師をされて、看護師の学ぶ姿勢や意欲など、先生の感じておられることを教えてください。
お金を払ってセミナーに来られる方は、やる気のある方がとても多いですね。勤務されている環境や施設の条件にもよりますが、「学ぶ機会がない……。でもこれではイカン!」というお気持ちがすごくあるように見えます。
私は看護学校などでもよくお話しさせていただくんですけど、全然目の輝きが違うんですよね。ギラギラしているというか、燃えているというか。セミナーでも、そういう姿勢で来られています。
無料で見られるブログやYouTubeは、自分自身もそうですが、聞き流すじゃないですけど、どうしてもそういう感じで見てしまうことが多いんです。しかし、お金を払って見るとなると、できるだけたくさん得ようという気持ちに変わるなぁということで、学習効率が上がっているのではないかと思いますよね。
そういう学習意欲の高い方が来られていることもあって、こちらもできるだけ多くのことを持ち帰っていただきたいですし、真剣勝負として、自分の持っているいろんなものを出していこうという気持ちでやっています。
セミナー会場でも、たくさんの質問をお受けになっていますもんね。悩み相談もあったり…
悩み相談では、「先生のおっしゃったことが正しいのはわかりました。うちは全然違うんですけが、どうしたらいいですか?」というご質問をいただいて……。
なかなか答えにくいのですが、勉強熱心な方ほど、ご自分のご施設の課題が見えてきて、それをどうにかしたいという気持ちが湧いてくると思うんですよね。
私がセミナーでできることは限られているのですが、学ばれたことに自信を持って、根拠を持って、日々の看護実践をしていただくお手伝いができればという気持ちです。
Q3.今回のリアルタイム配信は3回シリーズです。1回目は血ガスがテーマですが、看護師さんが血ガスを読めるようになると、ずばり! 患者さんの“みかた”がどのように変わるのか、自分の看護にどう影響するのか、教えてください。
血ガスは、患者さんの呼吸状態、酸と塩基のバランスを見るために採るんですね。血ガスが読めるようになると、まず一つは『緊急性がわかる』というのが大きなポイントだと思います。
血ガスの結果をご覧になったときに、「緊急事態です」とだけ伝えるより、「こういうことが起こっています」ということまで伝えることで、ドクターはその次のステップに一歩早く行けるんですよね。「急性呼吸性アシドーシスが起こっているので、呼吸器の設定を変えないと……」みたいなことまで言っていただくのか、あるいは「これ結果です」と言って渡すのかでは、ドクターの動きが大きく変わってきます。
そこまで言っていただけると、ドクターの見る目が変わってくるというのももちろんありますし、最終的には患者さんへの対応スピードに関わってくるんじゃないかと思います。
また、いくつかの目で血ガスの結果を見るということは、それだけ間違いが少なくなるということにもつながりますし、多職種連携というところにもつながります。緊急事態の場合は特に、その時点で間違った方向に進んでしまうのは良くないので、看護職の方に読んでいただけるというのはすごく大事かなと思いますね。
セミナーでは、とにかく大事なことを言っていますので、受講された方には血ガスを読めるようになっちゃっていただきたいと思っております。
Q4.2回目が酸素投与について、3回目が胸部X線画像についてですが、3つ全部、患者さんのために知っておきたい内容でしょうか。
酸素投与については、少なくなっているとは思いますが、病院間・施設間で温度差があると思います。おおよそのスタンダードは全国共通でやっていきたいというのがありますよね。そういう意味でも、酸素投与に関して聞いていただけるといいかなと思いますね。
胸部X線については、看護師の方からとにかく「セミナーをやってほしい!」というご要望がすごく多いんですよね。胸部X線画像は医師が撮って医師が見ていますが、看護師さんも横で「患者さんの経過を一緒にみたい」という要望もあるでしょうし、「救急で撮った画像がパッと読めるようになりたい」という要望もお聞きします。
救急でよくあるのは、気胸・肺炎・COPDなどです。胸部X線というのはまず正常がどのようなものかというところから始めなければいけません。ある程度、正常の写真がこういうものだとわかっていただいて、それから代表的な病気のみどころを学んでいただくと、「これはこうなのかな?」という判別ができるようになるんじゃないかと思っています。
これまでセミナーではあまり取り上げてきませんでしたが、ご要望が多かったこともあり、今回取り上げることになりました。
Q5.ひっ迫する医療現場で日々がんばっておられる看護師さんに向けてメッセージをお願いします。
看護師さんはいちばん患者さんに近いところにいるだけに、コロナでは患者さんに触れられないやりづらさもありますし、自分が感染してしまうのではという恐怖を感じておられる方も多いと思います。本当に深く感謝しています。感謝に尽きます。
島根大学医学部附属病院准教授/病院医学教育センター センター長/呼吸器・化学療法内科
長尾先生のブログ『やさしイイ呼吸器教室』が、わかりやすいと大人気!
Dr.長尾が教えるやさしイイく理解できる呼吸ケア
ハイフローシステムによる酸素投与
日時:2021年 7月31日(土) 10:00~11:00 (約60分)
締切:2021年7月30日 (金)昼12時まで
対象:医療従事者
定員:500名(先着順)
受講料:3,500円(税込) ※DAY3とのセット受講で割引がございます。
・酸素投与の目的は?
・ローフローとハイフローのちがい
・それぞれのメリット、観察ポイント
Dr.長尾が教えるやさしイイく理解できる呼吸ケア
胸部X線画像のみかた
日時:2021年 8月21日(土) 10:00~11:00 (約60分)
締切:2021年8月20日 (金)昼12時まで
対象:医療従事者
定員:500名(先着順)
受講料:3,500円(税込) ※DAY2とのセット受講で割引がございます。
・みかたの基本~漠然と見ないために
・正常画像をマスタ―しよう
・何が見えたら異常? 実際のX線画像で解説します
Dr.長尾が教えるやさしイイく理解できる呼吸ケア
ハイフローシステムによる酸素投与/胸部X線画像のみかた
DAY2:2021年 7月31日(土) 10:00~11:00 (約60分)
DAY3:2021年 8月21日(土) 10:00~11:00 (約60分)
締切:2021年7月30日 (金)昼12時まで
対象:医療従事者
定員:500名(先着順)
受講料:6,000円(税込)※セット受講割引料金です。