ここには12枚の『問い』が書かれたカードがあります。
ゲストが、それぞれ選んだカードに書かれた『問い』について、インタビューを通じてゆっくり考えていきます。
カードには何が書かれているか、ゲストにはわかりません。

ここでの『問い』とは、唯一の正しい答えがあるものではなく、思考を深め、さらなる問いを生んだり、生涯にわたって何度も問い直したりするような本質的なもの。
そして、ゲストの考えや価値観、人柄に触れるようなものが含まれています。
簡単に答えは出なくても、こうした考える時間自体に意味があるのかもしれません。
いま、少しだけ立ち止まって、あなたも自分や周りの人に問いかけ、想いを馳せてみませんか。



ゲスト:さかもツインねね
看護学校卒業後は市民病院の小児科で4年勤務。母のがんの闘病、介護の関係で半年間休業し、脳神経系の病院に転職、非常勤として2年弱勤める。その後、病院経営の問題で退職。クリニックでのバイト期間を経て、現在は中規模病院の療養型病棟で非常勤として働き7年になる。休みの日は「#火曜サスペンスごっこ」でさまざまな場所を巡る。双子の妹と猫と一緒に暮らしている。

インタビュアー:白石弓夏
小児科4年、整形外科・泌尿器科・内科系の混合病棟3年、その後、派遣で1年ほどクリニックや施設、ツアーナース、保育園などさまざまなフィールドで勤務。現在は整形外科病棟で非常勤をしながらライターとして活動して5年以上経つ。最近の楽しみは、仕事終わりのお酒と推しとまんが、それと美味しいごはんを食べること。



ケアに時間がかけられる環境で、この人とだったらどこまででも一緒に働きたいと思える先輩と

白石:
ねねさん、はじめまして。今日はよろしくお願いします。ねねさんは、現在の病院では7年お勤めなんですね。長くひとつの場所で働くのは、いろいろと大変ではないのかなと思うのですが、ご自身で感じる理由はありますか。

ねね:
今の病棟は療養型なので、急性期病棟のように緊急入院や急変対応がほとんどなく、比較的ケアに時間をかけられるんです。私は、新卒で急性期の病棟で働いてきましたが、あのバタバタした雰囲気よりも、落ち着いていて患者さん1人ひとりに声をかけてケアを提供できる環境が好きなんだなと今の職場で働くようになって気づきました。それと、もうひとつはすごく尊敬できる先輩看護師さんが2人いて。その人と一緒だったらどこまででも一緒に働きたいと思えるような人で、そのことも大きいと思います。もちろん、仕事が大変で辞めたくなるときもあるんですけど、その人がいるなら私も頑張ると、なんだかんだ7年以上経ってしまいました。

白石:
そんな素敵な方が周りにいらっしゃるんですね。ちなみに、どのような看護師さんなのでしょうか。

ねね:
患者さん1人ひとりに対してとにかく丁寧で、耳が聞こえない、反応が少ない患者さんに対しても「○○さんおはよう」「今日も元気?」と毎朝声をかけながら、バイタルとったり、ケアをしたりしている先輩です。その姿をみて、天使のような看護師って本当にこういう人のことを言うんだなと、一緒にいると自分も気分が上がっていい気持ちで働けるんです。これまでも尊敬できる先輩はいたんですけど、本当にその人は神がかり的な優しさ、癒やしがあって、私まで看護を受けているんじゃないかと思うくらいです。病棟自体はときに忙しさでギスギスすることもあるんですけど、その人が声をかけていくと、忙しいなかでも「あともうちょっとだね、今日も頑張ったね」とスタッフ同士も声をかけ合いながら達成感に包まれて、帰ってからもいい気持ちになれるんです。私のなかですごく心の支えになっています。

白石:
周りの看護師も看護を受けているような……ってなかなかない感覚ですね。その環境が羨ましいです。

自分が楽しむことに消極的になっている人の背中を押したい

白石:
ねねさんは『#火曜サスペンスごっこ』(以下:火サス)というタグで死んだふりをしたエモーショナルな写真をアップされていますよね。この活動のきっかけについて教えてください。

ねね:
あるとき、双子の妹と一緒に出かけた観光地で誰もいない橋があったので、写真を撮り合いっこしていたんです。だけど、なんだか自分のなかでしっくりポーズが見つからなくて、ふと思い立って地面に寝転がってみたら、それが地面に落ちている人間みたいで。面白くなってインスタにあげてみたら、思いのほか反応があって。そこから「じゃあ、落っこちて死んでいるみたいだから、火曜サスペンス劇場みたいだね」と、タグをつけて投稿するようになったのがきっかけです。2016年の3月ごろからはじめているので、もう7年以上になりますね。


ねねさんお気に入りの写真
青森県八戸の恵比須浜という場所で三脚を立てて自撮りしたもの。浜菊がちょうど人物を取り囲むように咲いていてフローラルな火サスが気に入っているそう


白石:
最近では、ラブホテルでの撮影や体験会のようなこともされて、活動も変わってきているという印象なのですが、どういう心境の変化があったんでしょうか。

ねね:
最初は自分が写っているだけだったんですけど、興味を持ってくださっている人にも火サスをやってみてもらうと、すごく喜んでくれるんですよ。そういう声がちらほらあったので、趣味で訪問しているラブホテルさんとコラボイベントということでやりました。なんでしょうね、自分が楽しむことに消極的になっている人の背中を押したい、という感覚があるのかもしれません。コロナ禍もあって、家でずっと引きこもっていた時期も長く、暗い気持ちになってしまうような世の中だったじゃないですか。撮影会って外に出るきっかけや人とつながるきっかけとか、ちょっとした気分転換にもなって写真を撮ることだけでもいろんな役割があると思うんですけど、それをみなさんにも体験してほしいなと。なので、なるべくコミカルにポップに、悲壮感が漂わないような活動になればと思って続けています。

白石:
素敵ですね。楽しむことを消極的になってしまっている人のきっかけにというのが。

ねね:
火サスは死んだふりをしているから、ちょっと不謹慎だなと思われる人もいるかもしれません。だけど、体験会を通して、他の人が楽しんでいる場面をみるのも、後日ご自身の写真をみて楽しかったことを振り返れるのも、私にとってすごく活動の励みになります。

白石:
先ほど趣味で訪問していたラブホテルと話されていましたが、それはどういった趣味なんでしょうか。

ねね:
元々は旅行に行ったり、古い洋館や歴史的な建築物をみたりするのが好きだったんです。それで、火サスをはじめて何年か経ったときに、都内に回転ベッドのあるホテルがあると聞いて、火サスを撮りに行きました。それが、自分にとってすごく眩しい場所で、こんなホテルがあるんだと衝撃が大きかったんです。そこからすっかりハマってしまって、全国のホテルを調べるようになりました。いろいろ調べていくと、閉業されてしまうホテルも多く、写真に撮って残していく活動も、また1つ大切な役割なのかなと思うようになりました。もう次は会えないかもしれないと思うと、その儚さが本当に人生みたいで……。余計に大切にしなきゃと愛おしい気持ちがすごく湧いてくるんですよね。

何か訴えようとする、その指先に

白石:
写真のなかにもたくさん詰まっているんですね。ちなみにちょっとマニアックな質問かもしれないですけど、実際に写真を撮るときって、場所選びやポージングとか、どんなことに気をつけているんでしょうか。

ねね:
とにかくピシッとしすぎない、生き生きとしている感じが出てしまわないように、力を抜いて肘を曲げたり、指をだらんとさせてみたり……。職業柄、人の身体はよくみて触れていますから、本当に人の身体の動きって1人ひとり違うので、考え出すとキリがないですね。

白石:
実は火サスの写真をみたなかで、私は指先が一番気になりました。自分が火サスを撮るとしたら、もう息絶えるというときに最後何を考えるかと、指先は最後まで力が入るかな……と思ったりして。だから、写真をみて、何か掴みたかったのかな、指先の先に何があるのかなと妄想したりしていました。


指先が印象的な写真

ねね:
たしかに、指先は一番気を遣うところかもしれませんね。やっぱりいろいろと訴えられるところでもあるので。病院などでも終末期のお看取りの場面をみていると、声とかはもう出なくても、指先で何か訴えようとするところはありますよね。そういうことも実際考えながら写真を撮っていますね。

白石:
なるほど、面白いですね。ちなみに、一緒に旅行に行かれて撮影する妹さんも同業者なんですか。

ねね:
いえいえ、妹は軟体芸というサーカスとかでやるような動きのパフォーマーをやりながら、レッスンの先生の仕事をしているんです。

白石:
そうなんですか。全然違うお仕事をされているんですね。でも、それはそれで、身体の動きとか表現することのプロという感じで、火サスとの相性がいいように感じました。

ちょっとした苦しさが緩和されたときに生まれる、私と患者さんの信頼関係

白石:
それでは、本題でご質問のカードを準備しましたので、選んでいただけますか。

ねね:
これ、楽しみにしていたんです。じゃあ右から5番目でお願いします。

白石:
「看護師を続ける理由」ですね。

ねね:
先ほどの尊敬できる先輩の存在も大きいですが、自分がやったことに対するフィードバックが見えるのが嬉しいからですね。今の病棟は療養型なので、1年とか長いと10年以上入院されている方もいて、治療の限界があるなかで、ちょっとした痛みや苦しみを抱えながら終末期で先の見えない時間を過ごしている患者さんも多いです。だから、急性期の病棟などと比べると、独特の苦しさがあって、不満を漏らす患者さんも多いんですけど、お互いに長い付き合いになってくるので、家族のような気持ちもあって。そのちょっとした苦しさが緩和されたときに生まれる、私と患者さんの信頼関係みたいなところに、やりがいを感じるかもしれません。

たとえば、「あ~ちょっと肩が痛くて嫌んなっちゃう」と漏らす患者さんがいて、身体的なアセスメントはしつつも、手でさすって身体の向きを変えたりしてみて、できることを少しずつ繰り返していくことでちょっと良くなる。またあるときに「あ~この間やってもらったけど、また痛くてね~」と声をかけてくれて、今度はこうやってみようかとまたできることを繰り返す。ときには「あ~もう死にたい」と言われることもありますけど、それでも私の顔をみて「○○さん来てくれた」と言ってくれたりして、悪いこともいいことも全部包み隠さずに話してもらえるような立場になれることが嬉しいですね。ゆっくりでも何年もかけて関わるからこそかもしれません。日々のおともになれるというか、それがありがたいですね、看護師を続けている理由のひとつかもしれないです。

手をかけすぎないところ、見守ることも治療、看護のひとつ

白石:
ねねさんは急性期の病棟から転職されたわけですけど、最初ギャップを感じたり、慣れるまでに時間がかかったりすることもありましたか。また、どう向き合っていったんでしょうか。

ねね:
そうですね。最初はなんでこんな状態なのに検査しないの、点滴しないのと思うことはありました。看護師の友だちに愚痴ることもありましたね。急性期では当たり前にやっていたことが、ここではそうではないと。それがなかなか受け入れられなくて辞めていく人も実際にはいますよね。なので、うちの病棟も長く勤めている年配の看護師が多いので、人間関係が難しいと感じることもあるかもしれません。

療養型は長い期間を経て、終末期に向かっていく段階なので。医療を受け入れる健康な身体、受け皿がないから、正直血管もボロボロだし、肝臓もやられてしまっていて、本当に最小限の医療で細々と長く……みたいな場所だと働くなかでだんだん理解するようになって。検査や治療がかえって身体に負担をかけてしまうこともあるんですよね。反対に、点滴を外して、身体のなかにある水分だけで最期を迎えましょうと家族とも話して、最期は本当にすっと眠るように静かに亡くなられる患者さんもいるので。そういう姿をみると、ご本人は希望していたことなのかな、ご家族はどう思うかなと、医療の介入で手をかけすぎないというところのバランスは難しいなと感じます。何もしないで見守るというのも治療、看護のひとつなんだと、そういう経験を少しずつ積んでいきながら、治療をしないことは悪いことではないんだなと受け入れられるようになっていきました。医師とも医療って何のためにあるんだろうって悩んだりしながら、永遠のテーマとしてやっていますね。

白石:
本当に、難しいですよね。

ねね:
実は、私のおばが心筋梗塞で亡くなる直前まで点滴や輸血をたくさんしていて、告別式で会ったときには顔がパンパンになってしまっていたんです。それで、母ががんで4年くらい闘病していたときは、もうお家にいようと、最期は自宅で少し水分がとれる状態で数日過ごし、すごくすっきりした顔でお見送りできました。そうした身内の亡くなる場面を経験していたので、なるべく自然な形でとすごく考えるようになりましたね。

白石:
ご家族の経験もあってのことなんですね。たしかに、急性期の病棟で働いていると何かやらなければいけないという感覚はあるかもしれないです。

ねね:
手だてがないところも諦めをつけるというか、そこに向き合っていかなきゃいけないのかなと、自問自答しながら、スタッフとも話しながらやっていますね。これは私個人の話だけではなく、やっぱり病棟でもそうした雰囲気はあります。前に、老年期や終末期の過ごし方について研修を受けて、患者さんが自分の持てる力を全部使い切って亡くなっていく、それを活かす看護があるということを知り、看護師同士でもそうした視点で話をするようになっています。

趣味によってオンオフがうまく切り替えられるように

白石:
じゃあ2つ目の質問にいきましょうか。

ねね:
左から2番目のカードで。

白石:
「昨日1日どんな風に過ごしましたか」ですね。

ねね:
昨日は1日勤務でしたね。朝7時に起きて出勤して、お風呂のチーム担当だったので、お風呂前後でわーっとケアしながら、午前中が終わりまして。午後は経管栄養をつないで、みなさんの痰をとって終わりました。仕事後は帰ってきてから1時間くらい散歩をして、お風呂に入って、もう23時前には寝ちゃいましたね。

白石:
ほうほう、散歩というのは毎日されているんですか。

ねね:
最近は毎日するようになりましたね。通っているマッサージの人に散歩して深呼吸するといいよと教えてもらってやってみたら気分もよくて。だんだん歩く距離を増やして30分から1時間くらい家の周りで緑が多いところを散歩して、ちょっとストレッチなんかして帰ってきてと、日勤の日は健康に気を遣って過ごしています。

白石:
すごいですね、その散歩のときってどんなことを考えているんですか。

ねね:
「お腹空いたな~夕飯何にしようかな」「明日休みだから何しようかな」「今度どこ行きたいな」ということを考えたり、「今日の患者さんの口腔ケアすごくうまくいったな」とか「あれうまくいかなかったから今度はもうちょっと工夫しようかな」と次の仕事のことを漠然と考えたりします。

白石:
なるほど。じゃあ仕事の日はあまりあれこれやったりしないんですね。オンオフはっきりとわけて。

ねね:
かなり分けていますね。休みの日は病院からは離れて、全然違うところに行って、火サスで死んだふりをすることに集中できるので。趣味があって、オンオフが上手に切り替えられるようになったと、助けられていますね。

白石:
ねねさんが、今個人的に熱いスポットや今後こういうことしてみたいとかはあるんですか。

ねね:
スタジオやホテルを借りて火サスの撮影体験会をやってみたいですね。写真展とかもできればいいなと思っています。あとは、去年友だちと3泊4日で北海道に行ってすごく楽しかったので、また行きたいです。北海道もけっこうクセのあるラブホテルがあるんですが、インターネットに情報があがってこないようなところも多いので、Googleマップやストリートビューで調べながら実際に行ってみて探索したいです。そうやって調べるのも楽しいですね。余力がある日なんかは12時間くらいずっと眺めて調べちゃいます。

白石:
12時間(笑)。ちなみに、これまで行った場所で一番感動したところとかありますか。

ねね:
どこのホテルに行ってもけっこう感動して嬉しくなっちゃうタイプなんですけど、北海道の名寄市にある『HOTEL GREEN』さんは珍しい青いベロアの丸いベッドに、天井や壁が茶色のフサフサしたチンチラ壁になっていて。1~2年くらいずっと憧れてたどり着いたこともあって、北の大地にこんなホテルがあるんだと、はじめて行けたときは嬉しかったですね。今でも鮮明に記憶に残っています。


HOTELGREEN

自分が心地いいなと思うことをたくさん経験しないと、それを誰にも渡せないと思う

白石:
それでは、最後の質問に。「あなたが後輩の看護師に伝えたいことはなんですか」です。

ねね:
今の職場では私が最年少なので、先輩っぽいこと言うのが苦手なんですけど……。まず、自分が心地よくなる場所、心地よくなるすべをたくさん経験してくださいということだと思います。マッサージに行ったり、美容室でいいシャンプーを使ってみたり、空気のいい場所に行って「あ、楽しかったな」と思えることが大事なのかな。自分自身が受けた心地いい気持ちを、今度は患者さんにフィードバックできるといいなと。それで、同じ心地よさを味わっているのねと共通点が生まれるというか。背中さすったり、手を添えたり、本当にちょっとしたことでいいので、自分が心地いいなと思うことをたくさん経験しないと、それを誰にも渡せないと思うんです。

あとは、いろんな場所に行くことも、患者さんとコミュニケーションのきっかけにもなります。この間私は福島の郡山に行ったんですけど、最近入院された患者さんが近くに住んでいたので、「あそこ行ったことあるか」「若いのによくあんな場所知ってるな」とすごく話が盛り上がったんです。患者さんの背景を知るという点でも、患者さんの故郷や懐かしい場所、思い出の場所の話ができるのは、自分が知っていることが多ければ多いからこそで、より話が広がると思うので。

白石:
なるほど。ただ、若い看護師さんは目の前の仕事で精いっぱいという人も少なくないと思うんですけど、そういう場合に一歩踏み出すきっかけとか、ハードルを下げるようなアドバイスってありますか。

ねね:
そうですよね……一緒に死んだふりしますか?(笑)

白石:
したいです(笑)。

ねね:
終末期の患者さんや家族とかかわっていると、「元気なうちに○○したかった」という言葉を本当によく聞くんです。今は寝たきりになっちゃって、目は開くけど話はできない、悲しい、困った、あれもこれもすればよかったと。患者さんも目線だけで、何か訴えているようなときもあって。看護師はそういうところを見つけていく職業ですからね。だから、生きている今、元気なうちにとにかく楽しみ尽くさないと、周りの人も悲しいだろうなと思っているんです。私も母を亡くしてから、母が生きているうちは本当に楽しかったのかなと、いまだに自問自答するんですけど……。荷物整理で写真を見返すと、けっこういろんなところに出かけていて、楽しそうにしている写真があったりして、「なんだけっこう楽しんでいたんだな」と思うことがあります。自分が楽しんで、いろんな写真を撮って、いろんなところに行ったりするというのは、周りの人を安心させることでもあるのかなと思うようになりました。

日々忙しくて大変だと思うんだけど、写真を撮ってみると、少し変わるかもしれないです。写真で自分が楽しそうにしている姿をみたら、安心したり、楽しかったな、また頑張ろうと思えたり、今度はこんなところに行きたいなと活力が湧くので。1枚写真を撮ってみるっていうのはどうでしょうかね。

白石:
ねねさんらしい言葉ですね。ねねさんにとっても、火サスの写真をみると安心したり、楽しかったなとそう感じるんですか。

ねね:
なりますね。火サスでパキッときまった写真をみると、「こんなに楽しいことしたんだから、明日からもう頑張るしかない」と思えます。あとは、自分でも笑っちゃうんですよ。自分の写真をみて笑えるって相当いい性格しているよな、愉快だなと思いますし、こういうユーモアは欠かさずにいたいですね。火サスの撮影で寝転がったときに、すごい空がきれいだったりすると、「あ~生きててよかった~」となるんです。強制的に視点を変えるという意味でも、それがオンオフの切り替えで一番簡単なやり方かもしれないですね。


寝転がったら、すごい空がきれいだった

白石:
そうですよね。あの雪の中やお風呂場でひっくり返った写真とか私は好きなんですけど、視点がまったく違いますもんね。今日は看護師の話も趣味の話もたくさん聞けて、うれしかったです。ありがとうございました!


雪の中でひっくり返って

▼さかもツインねねさんのブログはこちら
https://blog.goo.ne.jp/sakamotwin/

インタビュアー・白石弓夏さんの著書



Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~

Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~
私もエールをもらった10人のストーリー


今悩んでいるあなたが元気になりますように
デジタルアートや3Dプリンタを看護に活用したり、看護をとおして一生の出会いをつかみ取ったり、在宅のほうが担い手が少ないから訪問看護に従事したり、苦しかった1年目のときの自分を手助けできるようにズルカンを刊行したり、医療と企業の橋渡しをするためにスタートアップに就職したり、悩みながらも新生児集中ケア認定看護師の道をまっすぐ進んだり、ロリータファッションモデルとして第一線で活躍しながら看護師を続けたり、目的に応じて疫学研究者・保健師・看護師のカードをきったり、社会人になってから「あっ、精神科の看護師になろう」と思い立ったり……。 さまざまな形・場所で働く看護師に「看護観」についてインタビューしようと思ったら、もっと大事なことを話してくれた。看護への向き合い方は十人十色。これだけの仲間がいるんだから、きっと未来は良くなる。「このままでいいのかな?」と悩んだときこそ、本書を開いてほしい。

目次


◆1章 クリエイティブな選択肢を持つこと 吉岡純希
◆2章 大きな出会いをつかみ取ること 小浜さつき
◆3章 現実的な選択肢をいくつも持つこと 落合実
◆4章 普通の看護師であること 中山有香里
◆5章 ものごとの本質をとらえる努力をすること 中村実穂
◆6章 この道でいくと決めること 小堤恵梨
◆7章 好きなことも続けていくこと 青木美沙子
◆8章 フラットに看護をとらえること 岡田悠偉人
◆9章 自分自身を、人生や仕事を見つめ直すこと 芝山友実
◆10章 すこしでも前を向くきっかけを作ること 白石弓夏

発行:2020年12月
サイズ:A5判 192頁
価格:1,980円(税込)
ISBN:978-4-8404-7271-5
▼詳しくはこちらから