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「脳腫瘍の疑いです」
医師から伝えられた言葉に“……まさか、私が?”と驚きました。
私はオペナースです。最初におかしいなと思ったのは、言われた言葉の意味がたまにわからなくなることでした。術中、器械出しをするときに、医師から何を言われているかがわからないのです。「ペアン?」「コッヘル?」何か言われているのはわかります。でも、言葉の意味がわからないのです。
言葉が出にくいこともありました。局所麻酔の手術を担当しており、患者さんが帰室する際に車いすにご案内していました。
「ベッドから車いすに移動しましょう」
声を掛けるときのいつものセリフ、その「車いす」が、わからなくなったのです。車いすは目の前にあるのに、「車いす」の言葉がどうしても出てこなかったのです。“なんだか最近、物忘れが多いな”と思っていました。
“最近耳が聞こえにくいなぁ”とも思っていました。特に右耳の閉塞感があり、耳鼻咽喉科を受診。原因は不明で、ストレスかもしれないと言われました。
「最近、耳が聞こえにくいんですよ~」
手術室スタッフと雑談をしているとき、一度MRI を撮ってみたら? と、先生が検査をオーダーしてくださいました。すると、撮影後に放射線技師さんから、
「気になったところがあったので、頭のほうまで撮影しました。今から脳外科に見てもらったほうがいいです」
そう言われました。
脳外科を受診すると、パソコンの画面にはMRI 画像が映し出されていました。頭の中に、大きな影がはっきりと見えています。
「左側頭葉の脳腫瘍の疑いで、これは、手術前提になりそうです。設備が整っている病院に紹介します」
先生の説明を聞きながら、“脳の手術って痛いのかな……時間もかかりそう……”と、なんとなく実感がわかず、そのまま診察室を後にしました。

MRI画像。本来は耳の単純MRIのオーダーでしたが、放射線技師さんが機転をきかせてくれ、頭部まで撮影してくださったそうです。その画像で脳腫瘍が発覚しました。放射線技師さんに、後日お礼に行きました。見つけてくださって、本当にありがとうございました!
本コラムは『OPE NURSING(オペナーシング)』2022年9号からの再掲載です。

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