インスタグラム @sugar.openurse
「しゅがーさーん、わかりますか? 今、手術室ですよー!」
はっと気がつくと、私はビニールのようなものに囲まれていました。オペナースさんが手術室入室時に預けていたメガネをかけてくれて視界が開け、私はドレープの下にいるのだとわかりました。
上を見ると、吸引管のチューブのようなものが見えました。挿入されていたであろうラリンゲルマスクはすでに抜去されており、すぐに声を出して返事ができました。
今思うと、抜去時は口周りがよだれで汚くなっていてもおかしくないのに、私の口周りはとてもキレイな状態でした。もしかしたら、覚醒前に麻酔科医の先生かオペナースさんが清拭をしてくれたのかもしれません。
術中は、脳外科の先生や担当の言語聴覚士さんがそばにいてくれて、言語タスクを行ったり、雑談をしたりしていました。そうやって術中に常にしゃべっていることが、言語の評価としてとても大事なんだそうです。
ただ、手術は長時間にわたりますし、もちろん水も飲めません……。それがとても大変でした。そんなときにオペナースさんが、身体は痛くないか、喉が渇いていないかなど、優しく声を掛けてくれました。長時間同じ体勢なので、途中で背抜きをしてくれたり、喉が渇いたら濡らしたガーゼで口腔内を潤わせてくれたりして、本当に助かりました。
また、私はドレープの下にいるため時計が見られず、進捗状況もわからないので、たまに時間を教えてもらっていました。“あとどのくらいで終わるのかなぁ……、思ったより悪くなってたから時間がかかっているのかなぁ……”と、ソワソワしていたら、ついに執刀医の先生から待っていた言葉が!
「お疲れさまです。あとは頭を閉じるので、終わったらまた声を掛けますね」
“手術が終わったらまずはお水が飲みたいなぁ。あと、のど飴も……”なんて考えながら、目をつぶりました。

私は視力がとても悪いので、入室時にオペナースさんにメガネを預けていました。体位は右側臥位です。術中、術野の邪魔にならないように、執刀医の先生と相談して左側のつるを外しておきました。
本コラムは『OPE NURSING(オペナーシング)』2023年3月号からの再掲載です。

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