インスタグラム @sugar.openurse
手術後、病理の結果がわかりました。脳腫瘍のグレード3、放射線治療と抗がん剤の適応です。手術前から覚悟はしていましたが、言葉にすると心が重くなりました。「抗がん剤による脳腫瘍の治療を受けられる患者さんへ」「放射線治療を受けられる方へ」というパンフレットを受け取りましたが、開かずにそのまま床頭台の引き出しにしまいました。手術を受けて、そこからスタートなんだ……。
治療の道のりが果てしなく長く感じました。手術は、治療の道のりの一つなだけ。私はオペナースとして、ついつい治療の1シーンだけ切り取ってしまっていました。患者という立場になってみて、そのことに初めて気づきました。
一度退院してつかの間の休息、その後1カ月間の治療入院です。抗がん剤は内服のお薬です。「抗がん剤の副作用で髪の毛がなくなる」イメージがあったのですが、脱毛はかなり少ないそうです。“薬によって副作用も全然違うんだなぁ”と勉強になりました。しかし、放射線治療を受けていると照射部分は髪の毛が脱毛し、最終的には頭の左側はツルツルに。スマホでかわいい帽子やウイッグを探して眺めることが日課になりました……。
抗がん剤の副作用を心配していましたが、悪心は薬でうまくコントロールできていたのでホッとしました。つらかったのは、主に食欲不振。私はおいしいごはんをたくさん食べることが大好きだったのですが、抗がん剤内服期間中は全く食欲がわかなくなりました。
そんな私を救ってくれたのは、なんとお煎餅! ごはんは食べられないのに、しょっぱいお煎餅なら食べられました。袋の裏をみると「原材料名:うるち米」。これもお米!“ごはんを食べているのと同じ!”と思い、入院中は毎日バリバリ食べていました。お煎餅に本当に感謝しています。
手術後、額と右後頭部に傷が……。なんだろう? と考えてみたら、きっとヘッドピンの傷ですね。小さい傷なのですが、なかなか消えないんです。顔を見てびっくりしたので、手術前に教えてもらえたらうれしいなぁ、と思いました。
本コラムは『OPE NURSING(オペナーシング)』2023年5月号からの再掲載です。
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