しゅがー
手術室5年目のオペナース。左側頭葉神経膠腫(グレード3)の治療中。2021年11月に覚醒下開頭腫瘍摘出術を受けました。術後、職場復帰を目指して失語症のリハビリ中です。
インスタグラム @sugar.openurse


約1カ月間の抗がん剤・放射線治療も終わり、ついに退院しました。入院中はほぼ毎日失語症のリハビリに通い、術後よりは改善してきたと思います。まだ会話中に単語がでてこなかったり、数字を間違えてしまったり……。そんなこともありますが“普通に会話ができるくらい”になりました。しかし、私は“普通に会話ができるくらい”なので、見た目では障害があることがわかりません。きっともし腕にギプスが巻かれていたら「もしかしたら怪我をしたのかな?」とわかると思うのですが、私の場合は見た目はどう見ても健常人。リハビリの成果はとても喜ばしいことですが、日常生活について困ったこともでてきました……。例えば、スーパーのレジ。店内は常にBGM がかかっており、さらに買い物客の話し声があり、いろいろな音が聞こえます。リハビリ中は静かな場所で1対1だったから会話ができていましたが、スーパーではレジの店員さんが何か言っていても理解ができませんでした。何度も聞き直しましたが、どうしてもわかりません。じっと怪訝そうに見られて、心がボロボロに……。焦れば焦るほど、言葉がでなくなりました。そこで、対策として「失語症があります。ゆっくり話してください。単語がでないことがあります」と書いたカードを持ち歩くようになりました。

“手術や治療が終われば、普段通りの生活が戻ってくる!”そう信じていましたが、あっという間に夢は破れました……。私が手術室看護師に復帰するには、言葉の壁を乗り越えなくてはいけません。しばらくはリハビリが必要だと痛切に感じました。“いくら失敗しても、笑われてもいいから、できるだけたくさん喋っていこう!”と心に決めました。



オペナースしゅがーの脳腫瘍日記#011

退院前にOT(作業療法士)さんと一緒に料理実習をしました。「レシピを頭の中で覚えて調理する」が難しかったです。すぐに忘れてしまうので……。でも、こまめにメモを見ればできることが判明! ちゃんと対策を考えれば、日常生活でも料理はできそうです!


本コラムは『OPE NURSING(オペナーシング)』2023年7月号からの再掲載です。



オペナーシング2023年7月号

OPE NURSING(オペナーシング)2023年7月号
[特集]
解剖と術式がMARU-WAKARI!
消化器外科手術フェス♪
ロボット支援下手術も学べる!


《食道》
■1 食道亜全摘術(鏡視下手術)
《胃》
■2 ロボット支援下幽門側胃切除術(腹腔鏡下手術)
《大腸》
■3 腹腔鏡下結腸右半切除術(腹腔鏡下手術)
■4 ロボット支援下直腸切除術(腹腔鏡下手術)
《肝臓・胆嚢・膵臓》
■5 肝葉切除術(開腹手術)
■6 胆嚢摘出術(腹腔鏡下手術)
■7 膵頭十二指腸切除術(開腹手術)

▼詳しくはこちらから