投資の学校プレミアム代表
宮城県仙台市出身、成蹊大学経済学部卒業。教師一家の長男。学生時代に広告代理業を創業し、アルバイトで稼ぐ以外の体験をすることで、将来は会社員ではない起業家・投資家などのライフスタイルで生きていく選択肢を考えるようになる。2008年に起業し、さまざまなビジネスに取り組む中で「いくら稼いでも利益に対して約2割の納税で済む投資」に関心を持ち、研究をする。その後、「学校では教わらないけれども、日本人にとって必要となる教養を啓蒙する社会貢献度の高いビジネス」の一環として、2013年に投資の学校事業を開始する。金融業界出身ではない立場から、一般の人々の立場に立った投資教育のスタイルが評判となり、累計15万人が学ぶ投資の学校に育ち、自らも投資で実績を出し、書籍やメディアなどを多数執筆する。
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はじめに
忙しい看護師に向いている資産運用の方法は、インデックス型のETFです。一般的に世の中で人気とされているオススメの3銘柄と、オススメの理由、さらに、把握しておくべきリスクを説明します。
バンガードS&P500(VOO)
まず、バンガードS&P500(VOO)という銘柄があります。これは米国の代表的な500銘柄の時価総額をもとに算出される「S&P500」に連動するETFです。とくにGoogle、Amazon、Apple、Microsoft、FacebookなどGAFAMと呼ばれる米国を代表する企業も組み込まれていて、米国株式市場の時価総額の80%前後がカバーされています。経費率もわずか「0.03%」ほどと非常に安いのが魅力です。
インベスコQQQトラストシリーズ1ET(QQQ)
次は、インベスコQQQトラストシリーズ1ET(QQQ)です。米国株式市場のひとつであるNasdaqに上場している銘柄のうち、時価総額上位100社に分散投資効果がある銘柄です。経費率は「0.2%」ほどと割高ですが、Nasdaqの成長企業に投資をするぶん、運用成績には期待できる銘柄です。
バンガード・米国ヘルスケア・セクターETF(VHT)
そして、バンガード・米国ヘルスケア・セクターETF(VHT)も魅力があります。VHTは、製薬関係(26%)、医療機器(19.2%)、バイオテクノロジー(17.2%)、生命科学機器&サービス(11.6%)、健康マネジメント(12.6%)などと、米国医療関連の各セクターによる優良企業で構成されています。
とくに、イーライリリーやファイザー、アッヴィなど医薬品の製薬・開発会社が多く、ヘルスケア製品のジョンソンエンドジョンソンやメルクなども含まれています。米国では、大統領が保険加入を促したり、コロナ禍で医療保険の重要さも再認識されているので、注目です。
把握しておくべきリスク
これらは、ネット証券大手のSBI証券・マネックス証券・楽天証券などで上記の銘柄を検索して、スマホ1つで購入することは簡単にできるようになりましたが、把握しておくべきリスクもあります。
上記の3銘柄を含めた「インデックス型の投資信託(ETF)」は、株式市場全体の動向に利益が大きく左右されます。ですので、株式市場が下落傾向のときにこれらの銘柄を買い始めても、含み損が発生して心配になってしまうかもしれません。
また、投資をするなら「長期投資が安心で安全だ」と、誤解している方がとても多く、この点も気をつけたいところです。実際にたとえば「長期投資」の「長期は何年を指すのか」という質問に、明確に答えを出せる人はいません。人によっては「5年が長期、10年が長期、20年が長期、30年が長期」とさまざまな回答があるのですが、「5年でも、30年でも長期だから安心」となるはずがありません。実際には長期投資も「タイミング次第」ということになります。
投資を始めるタイミング
そこで、どんなタイミングで投資を始めるのが良いのかというと、米国の金融政策が“金融緩和寄り”のときが最適です。金融緩和とは、金利を引き下げて、中央銀行が市場にマネーを送り出している施策を取っている状態です。逆に、金融引き締めは、金利を引き上げ、高く維持している状態です。
2020年のコロナ禍による経済ダメージにより、各国の中央銀行は前代未聞の金融緩和の政策を開始しました。市場にたくさんの資金があふれることになり、企業、個人ともに米国株投資を大規模におこなったために、米国株は急騰しました。
しかし、市場にマネーが溢れすぎた影響で2021年に加速した物価上昇(インフレ)により、2022年から、急激な金融引き締め政策が発動することになり、2022年はじめから2023年現在に至るまで、金融引き締め政策は維持されています。金融引き締め政策がいきすぎると、景気後退という現象を引き起こし、こうなると、株式市場は大きな下落をする可能性があります。
小額から毎月コツコツと積立をはじめる
ではどうするべきか、というと「小額から毎月コツコツと積立をはじめる」という投資戦略は有効です。というのは、まだまだ不安定な市場環境ではありながら、2021年までに上昇しすぎた株式市場は2022年、2023年と下落し、2024年以降に向けて、再度上昇する可能性もあるからです。
現在は、株式市場に分散投資効果があるETFなどの銘柄を、毎月小額(数千円から数万円)ずつコツコツと買う戦略で、次の5年、10年後に大きな資産を狙う仕込みを検討する時期です。とくに、忙しい看護師のみなさんにおいては、例えば楽天証券などでは「定期積立の自動設定」というものがあるので、活用してください。一度この設定をしておくと、毎月決まった日に、決まった銘柄を一定数量購入してくれます。アプリで利益状況を定期的に確認することも簡単で、もちろん、ワンクリックで簡単に積立を解除することもできます。
次回は看護師だから狙える「病棟・領域別」お宝銘柄発見法を公開します。
※本連載記事の内容は投資勧誘・売買の推奨を目的としたものではありません。銘柄の選択・投資の最終決定はご自身の判断でお願いいたします。
※本記事は、信頼できる情報を作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。
※本記事に記載された情報は、2023年10月時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。また、いずれも将来の数値、運用結果等を保証もしくは示唆するものではありません。
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