臨床でひと通りの経験を積んでこれからのキャリアプランについて考えている看護師のみなさんに向けて、これまで臨床11年の経験に加えて、YouTubeでの性教育の発信、企業研修講師などフリーランスとしてもさまざまな活動を展開されているマッキーさんの「ヒントになるお話」をお届けします。




こんにちは、看護師マッキーです。

突然ですが、私は「看護師」という資格の価値をもっともっと高めたいと思っています。それくらい「看護師」という仕事と「看護師さん」が大好きなのですが、唯一、ある言葉を口にする看護師さんが大嫌いです。それは「私、看護師だから〇〇ができない」という言葉です。

なぜかというと、看護師スキルと経験は特別だからです。それは一般の会社員の方が獲得したいと思ってもなかなかできません。そして、一般の会社でも通用するレベルのものもあります。今回はそのことに気づいていただきたいというお話です。

看護師の仕事内容は特殊であることを知る

まず、大前提として看護師の仕事内容は一般的ではありません。看護師は全国に約168万人いるので職業としては認識をされていますが、業務内容は会社勤めの人と比べると特殊と言えます。

看護師が当たり前に行っている脈拍測定ですが、一般の方は橈骨動脈の位置も正常値も知りません。看護師が知り得る情報はとても貴重なのです。なかなか病院外で仕事をした経験がない方は「大したことない」と思うかもしれませんが、私はフリーランスとなり、貴重なスキルを日々実践していたんだと思えるようになりました。

得意なことでカバーできる

私は、サウナ好きが高じて「熱波師」という資格を取りました。「熱波師」はサウナ室で熱したサウナストーンにアロマ水などをかけ、それにより生じた蒸気をタオルを使いお客さまに届けることが仕事です。熱波師にはいろいろな方がいますが、ここで看護師としての立場が活かされました。それは「救急対応」の知識と経験があるということです。

私がある施設で「熱波師」として仕事をしたときにお客さまから「あなた看護師さんなんだね。安心して受けられるよ」とおっしゃっていただきました。サウナ室は高温のため、体調不良を訴える方もいらっしゃいます。そんななか看護師という資格を持っているだけでお客さまを安心させることができるのです。このようなお客さまの安心感や信頼感は、何の資格もない方は簡単に獲得できません。

この出来事には私自身、びっくり仰天でした。そして、看護師としての経験にはこんな価値もあるんだとうれしくなりました。もちろん、「熱波師」としてタオルの使い方や蒸気発生の方法など、それまでやったことがないことは自分でも勉強しましたし、先輩にも教えてもらったりと努力はしましたが、これまで11年間臨床現場で培ってきたスキルと資格は、もしかしたらあらゆるところに応用できるのではないか?とも思いました。

このことに気づいてからは看護師資格とスキルを使える仕事に注力しました。看護師が息を吸って吐くように行う患者さんの健康観察、指導、アセスメントなどを自らの強みとして全面的に売り出すと、サービスの質とスピードが高まるといった相乗効果を得られるようになりました。

得意なことは「えっ!そんなこと?」というものがほとんど

ではここで質問ですが、みなさんの得意なことは何ですか? といきなり質問されてもすぐ答えられない方も多いと思います。それはなぜかというと、得意なことは無意識に行っているので自覚しにくいからです。なので、ここで例えば「人より記録が速い」ということは、どんな「得意」が詰め合わさっているのか分解してみます。

・電子カルテなどのPC操作をマスターしている
・タイピングが早い
・患者さんとのやり取りを体系的に記録に落とし込むことができる
・簡潔明瞭にまとめることができる
・医学用語を覚えている
・時間の管理ができる

この分解した項目をお見せするとだいたいの看護師さんは驚かれます。なぜなら無意識やっていて「得意」とは自覚していないからです。「人より記録が速い」ということは、これらの「得意」が活かされた結果です。そのため、日ごろの業務を分解して考えてみることで、自分の得意なことを見つけやすくなります。

みなさんのなかにも「患者指導でわかりやすいと言われる」「点滴の計算が早い」「他病棟の電話番号を覚えている」「人の名前を覚えるのが早い」など日ごろ無自覚に行っている業務があるはずです。それを分解してみることで、自分の得意を見つけやすくなります。

目指すは得意なことを3つ以上探し自覚すること

自分自身で考える「得意なこと」に不正解はありません。誰に見せるわけでもありませんので遠慮せずに思う存分自分の良い所に目を向けてください。

私はいろいろできないことを病棟時代に自覚しており「なぜできないのだろう?」と自問し続けていました。手の甲に油性ペンで忘れないようにメモを取り、タイマーは2つ使って漏れがないかチェックしていましたが、それでもいつも不安でした。しかし残念ながら現役時代にその不安が払拭されることはありませんでした。

現在は、得意なことを自覚できるようになり、それを上手く使えるようになりました。そのお陰で当時抱えていたような不安はなくなりました。いま、得意なスキルを自覚できている状態で現役に戻ったら、もっと楽しみながら働けるかもしれません。

自分の得意なことより、できないことや苦手なことについつい目が向きがちですが、時間内に終えられたこと、他者から感謝されたことを振り返ると、得意が見つかると思います。すぐには見つからなくても、振り返りを何度も重ねると少しずつ見つかります。ちなみに、得意分野が1つ見つかるとニヤニヤと嬉しくなります。うれしい気持ちを感じながら業務にあたり、さらに上手くできたことや気づけなかったことに目が向きます。ぜひやってみてください。

自分の「得意」を探すことが選択肢を広げる

最後に、自分の「得意」を探すことで、施設で働く以外の選択肢にも目を向けることができるようになります。得意は自信に繋がるからです。今回のお話が、これならできるのではないか、ちょっとやってみようかなと、みなさんのキャリアの選択肢を増やすお手伝いに繋がったらとてもうれしいです。




看護師マッキー

1985年生まれ、看護師。日本メンズヘルス医学会所属。約11年間看護師として勤務(小児科10年、泌尿器科6年)し、独立。看護師国家試験対策予備校や都内看護学校で教鞭をとる傍らYouTuber、性教育講師としても活動。自らが運営する「看護師マッキー【メンズヘルス専門チャンネル】」は登録者数10.2万人、5000万再生を超える(2024年1月現在)。主な著書として「メンズヘルスナースがこっそり教える教養としての射精」(ライフサイエンス出版)。産経新聞をはじめメディア多数出演。
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