臨床でひと通りの経験を積んでこれからのキャリアプランについて考えている看護師のみなさんに向けて、これまで臨床11年の経験に加えて、YouTubeでの性教育の発信、企業研修講師などフリーランスとしてもさまざまな活動を展開されているマッキーさんの「ヒントになるお話」をお届けします。
\28歳ナース/
「看護師として新卒で病院に就職し、1度転職しました。病院以外の転職にも憧れがあります。マッキーさんはどのように転職先を探しましたか?」
\マッキー/
「人の話を聞いて、いいなと思ったことを深掘りしていきました」
「〇〇さん、企業に転職したらしいよ」「えー!凄い」
こんな会話を病院勤務時に聞いたことがあったのですが、そのとき非常にうらやましいと思った記憶があります。このうらやましいという感情が、私が病院を飛び出すきっかけになりました。
意外と病院以外で働いている看護師がいた
病院勤務時は、当たり前ですが周りの看護師さんは全員病院勤務です。なので仕事の流れ、必要となるスキル、組織図、勤務体制はどこもだいたい同じです。私は20代のころ、自分にはこの世界しかないと思っていました。しかし、病院の外には思ったより看護師さんが多く働いていることに気づきました。
いくつか場所を挙げると、企業のコールセンター、テーマパークの救護室、ホームページ制作会社、転職アドバイススタッフなどです。最近では独立をしたり、副業をしている人も多くなり、知らない名称の職業もたくさんあります。「私は看護師しかできない……」と思っている人も多いかもしれませんが、病院以外で働く看護師が少なからずいることを知ってもらえたらと思います。
初めてのことのほうが素直に学べる
これまで病院でしか働いたことがないと、いざ病院以外で働いてみたいと思っても、知らない場所で働けるか、役立たずと言われないかと不安になると思います。しかし、場慣れしていないことがメリットになることもあります。
それは何かというと、まず、わからないことだらけなので周りの同僚や先輩、上司と密にコミュニケーションを取ることができます。また、少し慣れてくるとそれまで持っていた「病院以外では働けない」といった勝手な思い込みもなくなります。しかも、周りの人もあなたが初心者であることは承知しているので最初から即戦力になるとは思っていません。新人と同じように扱ってくれます。
私も転職したときは同じように大丈夫だろうかと心配でした。なぜなら電子カルテ以外のパソコンスキルがなかったからです。転職先では1人1台パソコンが支給されましたが、最初はまったくちんぷんかんぷんでした。しかし、自分の努力と周りへの質問で徐々にスキルアップすることができました。
なぜその職場に惹かれたのか、書き出してみよう
私が初めて病院以外で働いたのは、前回の#003でお話しした看護師国家試験対策予備校です。転職のきっかけは、友人が企業講師として働いていると知ったときに「その仕事、いいな。うらやましい」と思ったことです。
友人の話を聞きながら、Googleで「看護師 講師」と検索をしたら(いま思うと失礼な行為でしたw)何件かヒットしました。冒頭でお話ししたように看護師でも病院以外で、また、講師として働ける場所があることを知ることができたことは私にとって大きな発見でした。
この後、私が選んだ看護師国家試験対策の講師の仕事に惹かれた理由は2つあります。
1つは営業がないことです。講師としての働き方にはいろいろなパターンがあり、それぞれ違いがありますが、例えば自分で営業をかけなければいけない仕事とかけなくてもよい仕事があります。私はそれまで営業をしたことがなかったので、自分で営業しなくてよいという点に魅力を感じました。友人の話を聞くまでは、講師として仕事をするうえでもこのようなさまざまなパターンの働き方があることも知りませんでした。
2つ目は、看護師国家試験対策の講師であればこれまでの看護師経験を活かしながら転職ができることです。キャリアの分断ではなく、連続性が保てると感じました。自分の成功体験だけではなく、例えば失敗談さえも受講生の学びにつなげることができることに大きな魅力を感じました。
みなさんも周りで誰かが病院以外に転職した話を聞いたときに「いいな」とうらやましく思うことがあると思います。もしこれから病院以外で働いてみたいと思いながらも、どんな働き方ができるのかわからないという人がいたら、まずはその「いいな」と思った理由を3つ書き出してみてください。そして、それを検索してみてください。案外ヒントになる情報がヒットします。
先ほどもふれましたが、最近は独立をしたり、副業をしている看護師さんも多くなって、これまで知らなかった仕事や働き方も増えていますので、みなさんの興味や関心に合う職場もきっと見つかります。
ここだけの話、私も日々検索して調べています。なので、一緒にがんばりましょう。応援しています。
看護師マッキー
1985年生まれ、看護師。日本メンズヘルス医学会所属。約11年間看護師として勤務(小児科10年、泌尿器科6年)し、独立。看護師国家試験対策予備校や都内看護学校で教鞭をとる傍らYouTuber、性教育講師としても活動。自らが運営する「看護師マッキー【メンズヘルス専門チャンネル】」は登録者数10.2万人、5000万再生を超える(2024年1月現在)。主な著書として「メンズヘルスナースがこっそり教える教養としての射精」(ライフサイエンス出版)。産経新聞をはじめメディア多数出演。
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