第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプターの1つをメディカLIBRARYだけで特別配信します。

※上部のサムネイルをクリックして視聴できます。
※視聴にはメディカIDが必要です。メディカIDをお持ちの方はログインしてそのままご視聴ください。




講師
百田武司
日本赤十字広島看護大学教授

<セミナーを受講するとこんなことが学べます>
◆23年5号の特集で取り上げる嚥下障害や排尿障害、痙縮、脳卒中後疲労、脳卒中後不眠など13項目の脳卒中後遺症のそれぞれの要点・勘どころをまるっと1時間にまとめて解説する特別セミナー!
◆関心の高い項目は23年5号でしっかり学び、本セミナーでは要点の振り返りができます。
◆病棟の勉強会としてもぴったりです。


配信|CHAPTER 2:後遺症とそのかかわりの要点①嚥下障害


今回のセミナーでは脳卒中の後遺症のかかわりというところを学んでいただきたい思ってますのでCHAPTER 2では各論「嚥下障害」を取り上げます。

嚥下障害はみなさん身近なところだと思いますが、摂食嚥下というのは食物を認識してから口に取り込み、咽頭と食道を経て胃へ送り込む一連の過程で、先行期から始まり食道期までの「摂食嚥下の5期」というものがあります。

脳卒中の後遺症とそのかかわり01


ではここで質問ですが、摂食嚥下5期モデルそれぞれの内容や障害した際の症状への理解について、みなさんの自信の度合いを投票機能で回答してください。

~回答待ち~

はい、投票結果が出ましたね。

「あまり自信がない」という方がもっとも多い78%ですので、もう一つ上の「だいたい自信がある」ぐらいまでこのセミナーを通してレベルアップできればと思います。

脳卒中の後遺症とそのかかわり02


では摂食嚥下の5期のメカニズムを簡単に説明します。

先行期:食物を認識してから口に運ぶまでの時期
準備期:食物を口に入れてから飲み込む形態(食塊)にする時期
口唇期:奥舌(舌の後ろから1/3の部分)から咽頭への送り込みの時期
咽頭期:食物を口に入れてから飲み込む形態(食塊)にする時期
食道期:食道に入ってから胃に到達するまでの時期


脳卒中の後遺症とそのかかわり04

脳卒中の後遺症とそのかかわり05

脳卒中の後遺症とそのかかわり06


というようにそれぞれ機能がありますが、ぜひ今回のセミナーと連動している『ブレインナーシング』2023年5号の19ページの表をご覧いただければと思います。

この表は、5期に分けた摂食嚥下のそれぞれの症状と疑われる原因を整理したものです。普段の食事介助や摂食嚥下障害患者さんへのかかわりなどの際には、患者さんにはどこにどういう症状があるかというところをこの表で見ることができます。

脳卒中の後遺症とそのかかわり07


例えば、患者さんに流延が見られるのであれば準備期に問題がありそうだと考えられます。そして、口唇閉鎖不全、口唇麻痺がないかと原因を疑います。

このように摂食嚥下の5期の教科書的な表を活用して、ご自身の普段のケアのアセスメント、ケアの実施、検査や評価に生かしていただきたいと思います。

脳卒中の後遺症とそのかかわり08


続いては急性期で見られる嚥下障害です。

意識低下を伴うということであれば嚥下反射消失に伴う誤嚥の危険性があります。

また経時的な症状の変化、急性期ですから発症1週間前後は特にということですが、こういうことがあれば症状悪化に気づき、食事毎に経口摂取可能かアセスメントしていくことが必要です。

そして積極的な合併症予防としては、呼吸器感染症のことと、嚥下障害を改善するための嚥下訓練というものがあります。

脳卒中の後遺症とそのかかわり09


嚥下訓練には2つあります。

1つは間接訓練(基礎訓練)で、食べ物を用いずに行うもの、もう1つは直接訓練(摂食訓練)で、実際に食べ物を用いて一連の摂食動作を行い機能向上を図ります。

脳卒中の後遺症とそのかかわり10


間接訓練については、『ブレインナーシング』2023年5号の23ページに詳しく載っています。

間接訓練は「口腔ケアをしながら舌への圧刺激を行う」「枕の位置を変えるときに自力で頭を持ち上げてもらう」など、摂食嚥下のための訓練やリハビリではなく日常生活の援助のなかで「〇〇しながら」行ってもらうと取り入れやすいです。

言葉は悪いかもしれませんが「ながら」で実施するということです。例えば、目的を持って行えば、会話をすることも口腔諸器官と呼吸機能の間接訓練となります。

ですので、目的を持って、積極的に口腔に刺激を行っていくということを、間接訓練としてぜひ行っていただきたいと思います。

脳卒中の後遺症とそのかかわり11


直接訓練は食物を口に入れますが、誤嚥を予防してリスク管理を行うことが非常に大事になってきますので、「直接訓練前の前提条件」をしっかり理解することが大切です。

また直接訓練中のチェックとして「嚥下状態」と「摂食状況」にしっかり注意するということも大切です。

脳卒中の後遺症とそのかかわり12


続いては「姿勢の調整」について見ていきたいと思います……



ログインして動画でご覧いただくと、「姿勢の調整」「急性期病院退院以降」の解説まで視聴することができます。また、ご購入いただくと本セミナーで取り上げる「脳卒中の後遺症とは」「後遺症とそのかかわりの要点①~⑩」まですべての解説がご覧いただけますのでぜひご検討ください。

脳卒中の後遺症とそのかかわり13







プログラム

1.脳卒中の後遺症とは
2.後遺症とそのかかわりの要点
  ①嚥下障害
  ②排尿障害
  ③運動・感覚麻痺
  ④痙縮
  ⑤てんかん
  ⑥脳卒中後うつ
  ⑦脳卒中後疲労
  ⑧脳卒中後不眠
  ⑨高次脳機能障害
  ⑩血管性認知症
3.まとめ

本セミナーと連動している専門誌の紹介


ブレインナーシング2023年5号

BRAIN NURSING(ブレインナーシング)2023年5号
脳神経ナースが説明できなければいけない
脳卒中の後遺症とそのかかわり


■01 脳卒中のきほんのおはなし
■02 嚥下障害
■03 排尿障害
■04 痙縮
■05 てんかん
■06 脳卒中後うつ
■07 脳卒中後疲労
■08 脳卒中後不眠
■09 血管性認知症
■10 運動・感覚麻痺
■11 失語症
■12 失行
■13 高次脳機能障害
■14 半側空間無視

▼詳しくはこちらから