この連載は、英語の先生でも医師でもない、看護業務を知り尽くした現役看護師が医療現場で本当に使える英会話を紹介します。
検温、点滴、清拭、おむつ交換など医療現場で頻度の高い看護業務に焦点を当て、使えるフレーズを丁寧に解説します。
【看護師の看護師による看護師のための英会話:Episode4】は、「検温:体温編」です。
今日は外国人患者さんを受け持っています。
日本人の受け持ち患者さんの検温を終え、残るは外国人患者さんの検温です。
こんな普段の会話を英語にしてみましょう。
(血圧を測り終わったあと)
①「体温を測りますね」
②「音が鳴るまで脇でギュッと挟んでください」
③「体温は36.2度で平熱です」
①Let me take your body temperature.
②Please put this thermometer in your armpit and hold your arm down tightly until it beeps.
③Your body temperature is 36.2. It is normal.
今日は、検温で使えるフレーズ③【体温編】「体温は36.2度で平熱です」を深掘り解説します。
「体温は36.2度で平熱です」は、「your temperature is 36.2」と「it is normal」を使いました。
体温を伝えるときに使う小数点は、「point」といいます。
「36.2」は、「thirty six point two」です。
「度」に相当する「degree」を数字の後につけてもいいですが、つけなくても伝わります。
普段意識することはありませんが、温度単位には2種類あります。
摂氏(°C)と華氏(°F)です。
私たち日本人が使っているのは、摂氏(セルシウス)です。
現在、世界中ほとんどの国で摂氏が使われています。
華氏(ファーレンハイト)を使っている国は、アメリカ・イギリス・ジャマイカ・バハマ・ケイマン諸島のみです。
もし患者さんがアメリカ出身だったら、摂氏で体温を伝えても理解できないかもしれません。
そんなときは、Googleなどを使ってすぐに華氏に変換できるので心配無用です。
ちなみに、摂氏36.2は、華氏97.1です。
私事ですが、アメリカに住んでも華氏が身につかない経験をしました。
温度が華氏90度くらいなら「やや暑い」、95度くらいなら「暑い」、100度くらいなら「危険」程度の知識しか身につかず、「今日はいったい何度だったんだろう…」と思いながら日々暮らしていました。
日本に帰国し、天気予報の数値と体感温度が一致することがうれしくて、一時期天気予報ばかり見ていたくらいです。
不便さから当たり前の便利さを知った貴重な人生経験でした。
「平熱です」は、シンプルに「it is normal」を使いました。
今回、患者さんにわかりやすく伝えるため「体温は36.2度で平熱です」を2つの文に分けました。
一文で伝えたいときは、「you have a normal body temperature of 36.2」が使えます。
「normal body temperature」は、「平熱」という意味です。
いかがでしたか?
次回は、体温が高いときの声かけを紹介します。
では、Let’s wrap it up for today. Have a good one.(今日はこのへんで、またね~)
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