今回は、2022年7月16日(土)に行われた、第3回のテーマ『パルスオキシメーター製造企業さんと呼吸管理の困りごとを話そう!』のご報告、PART②です。

第3回のスケジュールは図1の通りです。



PART①に引き続き、日本光電株式会社さんの『3.パルスオキシメーター製造企業さんからのプレゼン』から報告します
日本光電さんといえば、医療者の誰もが知っている国産医療機器製造会社の老舗。特にセンサー技術は評価が高く、多くの検査装置・モニタリング装置を製造しています。
日本光電さんよりセンサーのテクノロジーについて動画で説明がありました。

その後にパルスオキシメーターの説明がありましたが、やはり、パルスオキシメーターのテクノロジーを開発した、日本光電さんの技術者の青柳卓雄氏の紹介から始まりました(図2)。



青柳卓雄氏は、ノーベル賞級のパルスオキシメーターの発明者であり、2015年に米国電気電子工学会(IEEE)が医療分野の技術革新に贈る賞を、日本人で初めて受賞されています。

現在、パルスオキシメーターのない医療は考えられず、今では一家に1台ともいわれる時代になり、こんなすごい医療機器を開発した青柳氏に私たちは感謝しなければなりません。

日本光電さんでは、1975年に耳で測定するパルスオキシメーターの開発・販売が始まり、さまざまな開発を進め、より厳しい条件でも測定できる精度を求め、開発に取り組んでいるとのことでした。

次は、『4.こんなパルスオキシメーターが欲しいんです!』と題して4名の方に発表していただきました

まずは、①ご家族の立場から:藤田美由紀さんの発表です
藤田さんのお子さんが退院のときにパルスオキシメーターを購入した経緯をお話し頂きました。

今回は、一般社団法人未熟児家族支援・がんばりっこ代表の林英美子さんが、インスタライブで「NICUを卒業したご家族からの意見」を集め、それをまとめたものを藤田さんに発表していただきました。

1)壊れやすいディスポプローブを壊れないようにして欲しい!
2)低温火傷が起こらないパルスオキシメーター
3)低温火傷を起こさないための巻き直しを減らしたい
4)スマホとの連動で警報が鳴ったりすると良い
5)スマートウォッチのようなものでデータが保存できる
6)プローブが各社共通なら良いのに
7)人工呼吸器に内蔵されていると良い(すでに内蔵されているものもあるけど、もっと増えて欲しい)
8)パルスオキシメーターと同時に、動脈血二酸化炭素分圧が測れたら良いのに
9)頼り過ぎて数値に一喜一憂してしまう。必要なものだけど、不安になることも多い

1)は、筆者もそう思います。これは切実な悩みですね。診療報酬の適応と勘違いしている医療者も少なくないですが、パルスオキシメーターは診療報酬の適応ではありません。病院によって、個人購入であったり、病院の負担で貸し出していたり、在宅酸素の付属品として貸し出していたり。プローブも、必要な分を病院やレンタル業者から払い出されることもありますが、個人購入されていることもあります。定価で1本7,000円近くするプローブが1週間も持たずに数日で壊れてしまうことが多く、家計を圧迫している現実もあります。パルスオキシメーターが在宅の診療報酬の装置加算として認められれば、個人負担は減るのにと考えています。

次に、②臨床工学技士の立場からとして筆者から発表しました
パルスオキシメーターは良いものだけど、病院でも付けたら安心、付けないと不安。
これを私は「パルスオキシメーターシンドローム」と言っていますが、パルスオキシメーターをつけているから安心という、こんな意識によってアクシデントが発生しているのが事実です。

パルスオキシメーターが一般的なものになり、どのように使っていくのかを考えていく必要がある医療機器になっていると思います。
今回は、低温火傷を起こさないパルスオキシメーターの開発を中心に発表しました。

私が関わった患者さんで、在宅人工呼吸療法を長く行ってきた女の子が、ある日ぼそっと、「指先が痛いの。本当はつけたくないんだけど、お母さんがつけなさいって言うから我慢してつけてるんだけど」と言ったんです。
これはパルスオキシメーターのことでした。
そして、その子の指先は黒ずんでいたのです。

FDA(アメリカ食品医薬品局)は、「低温火傷は43℃以下では起こさない」と言っているので、パルスオキシメーターのメーカーも低温火傷は起こさないと言い続けてきました。

しかし、約2年ほど前から、パルスオキシメーターの装着部の温度上昇と末梢循環不全が合わさり低温火傷が起こることをやっとメーカーは認めるようになりました。 パルスオキシメーターの装着による低温火傷は人為的に起こる。ということで、血管を圧迫しない装着の取り組みをお話ししました(図3



企業様に求めるのは、以下の4つです。

1)温度上昇のしないプローブ
2)そして、巻かないプローブ
3)どこにでも貼れる反射型のプローブ
4)そして、その装着には優しいポリマー製の粘着部材

こんなパルスオキシメーターがあったら、低温火傷の心配をせず貼り替えの時間も気にせず安心して使えると思います。

以上、「4.こんなパルスオキシメーターが欲しいんです!」の前半の報告でした。



新型コロナ病棟ナース戦記

松井 晃
KIDS CE ADVISORY代表。小児専門病院で35年間働き、出産から新生児、急性期、 慢性期、在宅、ターミナル期すべての子どもに関わった経験をもつ臨床工学技士。メディカ出版のセミナー講師も務め『完全版 新生児・小児のME機器サポートブック』などの著書がある。KIDS CE ADVISORYのHPは▶医療コンサルタント | Kids Ce Advisory