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妊娠・出産の「痛み」について、専門家である助産師・産科医・麻酔科医がまとめた一冊。著者の3人に、この本の“ここがポイント!”を教えてもらいました!
妊娠中から産後までを前向きに過ごすための知識が詰まっています。お産に向き合うすべての人に届けたい、やさしく心強いガイドです。




田辺けい子(助産師)


野口翔平(産科医)


日向俊輔(麻酔科医)



妊娠・出産の「痛み」について、よくある誤解はありますか?

「痛みがないと産めない」という誤解です。思い出してください。分娩の3要素に「痛み」はありますでしょうか。確かに痛みがお産を促進するように思えるかもしれません。しかし、過不足なき鎮痛を行い、適切なサポートを行えば、痛みがなくてもお産はすすめられます。痛みがあってもなくてもお産はお産。徹底的にお産に向き合うことが大切です。

「痛みに耐えてお産をすることで愛情が育まれる」や「帝王切開は楽なお産」という言説は妊娠・出産される女性の間ではもはや少なくなっているかもしれません。しかしその親御さんの世代や、パートナーを含め男性の中には、まだ根強いかもしれません。しかし、どんな分娩様式でも尊いお産であり、分娩時のみならずさまざまな「痛み」やつらさを乗り越えて出産されることに優劣はありません。


無痛分娩を考えるとき、まず知っておいてほしいことは?

無痛分娩は、呼吸法やマッサージ、アロマセラピーなど、数ある産痛緩和法のうちの一つに過ぎないということです。選べば安産が約束される魔法ではなく、妊娠中からの準備と正しい理解を通じて、はじめて落ち着きとリラックスをもたらす手段になります。どのような準備をすれば無痛安産になるのか、ぜひ本書をご覧ください。

特に何かを知ってほしいというよりも、利点や欠点を“正しく”とらえてほしいです。誰しもがSNS等で発信できる現代では、ちまたには玉石混淆な情報があふれています。誰かの経験談はリアルで心を打つかもしれませんが、例外的なことや一般化できないこともたくさんあります。医学的に“正しい”ことや、あるいは専門家の間でもまだ議論のわかれることは何かなどを、本書で知ってほしいと思います。


妊娠中や産後に「今日からできるセルフケア」でおすすめは?

自分の心と身体に向き合うことです。妊娠中ならば、少しずつ変化する身体に意識を向けてください。産後は、回復していく身体や育児による疲れを素直に感じとりましょう。不安も喜びも、素直に言葉にしてみる。こうした自分自身との対話こそが最も大切なセルフケアであり、痛みとの付き合い方を変え、あなたらしい妊娠・出産・産後を支えます。

自分にとっての良いお産を「イメージ」することです。今の時代、お産の動画や映画などがたくさんあります。是非たくさん見てイメージを作ってください。本書も妊娠中からお産、産後、麻酔に至るまで、力の入れ方や体勢、筋肉や骨の使い方までイメージできるように、でもできるだけ簡単に書きました。きっと役立つと思います。


本書でいちばん伝えたかったことは何ですか?

妊娠・出産・産後の苦痛を、当事者だけでなく周囲の人にも理解してほしいということです。「お産は病気ではない」という言葉が、痛みや苦痛の存在を見えにくくしています。確かにこれらは生理的な過程で、喜びに満ちたものかもしれませんが、同時に苦痛も伴います。パートナーやご家族が、その矛盾した側面を理解し支えることで、女性は安心して自分らしいお産や育児を実現できます。この本がその一助になれば幸いです。

わたしたちが目指したのは、自分の身体を知り、自分のお産を良いものに捉えられること、そのために前向きに取り組めることです。苦痛について考えることと、希望について考えることは表裏一体です。どんなお産を迎える人にでも響くようにと思いを込めました。

「痛み」やつらさは時に心を乱し、能動性や主体性を減らす因子になることがあります。妊娠・出産そして産後にはさまざまな「痛み」を伴う状況が起こりえますが、妊婦さんがそれらを適切に理解して心身ともによい準備ができれば、きっとその方らしいお産になるのではないかと思います。そしてそれは無痛分娩でもそうでなくても、帝王切開だとしても何ら変わりません。本書を通じて、「痛み」という切り口からご自分のお産に向き合い、気持ちの余裕や納得の心をもって、あなたらしいお産に臨んでほしい、そういう想いで執筆しています。

書籍のご案内




『妊娠・出産の「痛み」について知りたくなったら最初に読む本』

妊娠・出産の「痛み」について知りたくなったら最初に読む本
無痛分娩も、セルフケアも、赤ちゃんとの過ごし方も、助産師×産科医×麻酔科医が驚くほど簡単にまとめてみた
妊娠中の気になることから、「痛み」の上手な乗り越え方、産後の過ごし方まで、自分らしくお産するためのガイドブック


お産の「痛み」を上手に乗り越えるために
妊娠・出産にともなう痛みは、女性にとって大きな不安のひとつ。本書は「どんな痛みがあるの?」「どうやって乗り越えるの?」「無痛分娩ってどんなお産?」という疑問に、専門家である助産師&産科医&麻酔科医が医学的知識とやさしい視点で丁寧に寄り添います。はじめての妊娠にも、出産経験のある方にも役立つ、安心と理解を深める一冊です。

発行:2025年10月
サイズ:A5判 144頁
価格:2,420円(税込)
ISBN:978-4-8404-8862-4
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