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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回は「感動した伝え方」を綴っていただきました。

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結論からいえば、わたしはまだ出会っていない。

看護師になって、単純に人に“伝える”という機会が増えた。
もちろん、今まで人と話してこなかったわけじゃない。たくさん会話をしてきた。
くだらなくてどうしようもない内容から、真剣な内容まで。

だけど、看護師として患者さんと接するときの話の内容は、今までとは比にならないくらい、重要だった。
ひとつ間違ったことを伝えてしまうと、それはその人の今後の人生そのものに影響してしまう。
優しい看護師を目指したい、と思いつつ、飲水制限が必要な人に“飲水制限きついですよね、やらなくていいですよ”と伝えてしまうのは看護師としては違うかかわりだと思うし、かといって、きつく言いすぎるのもまた違う気もする。

【相手の行動変容を促す】

このような伝え方について、本当に本当に考えた。

今までの行動を変えるのは、結構大変だ。
それはたった30年ちょいしか生きていないわたしでもきついのだから、自分よりも年齢を重ねている患者さんはもっときついのは容易に想像がつく。
しかも、今までの行動を変えろということは、ある意味で今まで歩んできた道を否定されたような気持ちになるかもしれない。
しかもそんなことを、人生の半分も生きていないわたしに言われるのだから。

優しく厳しく根気強く、
相手のペースに合わせ、
変化をきちんとキャッチし、
フィードバックし、
成功体験を積み重ねること。

このようなかかわりでちょっとずつちょっとずつ進めていくことしかできなかった。
なかには残念ながら後退してしまう人もいた。

もし、相手の琴線に触れるような話し方があるなら、ぜひ学んでみたい。
それがきっとわたしにとっての、“感動する伝え方”だと思う。
いつか自分のなかの結論に辿り着けるまで、考え抜き、実践し続けていきたい。

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fractale~satomi~
twitter:さとみ(@minisatominy

三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。 

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