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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「ダンドリばっちりだったケア」です。

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今回は私の一番苦手とする「ケア」について。
っても看護師の基本業務って「ケア」なので、やはり自分は看護師に向いてないなと思います(笑)。

新人のころ、先輩につきっきりでケアを行うわけですが、テープの貼り方とか軟膏の量とかめっちゃ覚えるんですよ。
もうまったく同じようにしたいと思って。
テープのはくり紙をゴミとして捨てずに持ち帰って、次回のケアの参考にしようと思ったり。
「まったく同じにしないと気がすまない」というか、それ以外がだめだと思ってたんですよね。
今も前回と同じようにしようと毎回頑張るわけですが、よくよく考えると同じにすることよりも「一番適切かどうか」が大切だな思うようになりました。
毎回毎回同じケアをすることが大切なのではなく、そのときそのときのケアが大切なんです。
褥瘡の処置なんかも、やはり日々皮膚の状況が変わっていたりしますからね。
だから前回やった人となにか違うほうがいいかなとも思うのですが、長年処置を受けている人だと、その人の生活によって一番のベストというのが生まれてきます。
テープの貼る方向が変わっただけでも、皮膚の引っ張りが変わり違和感を感じてしまうんですよね。
もちろん毎回同じではテープかぶれなんかも起こしてしまいますが。

なんかこう、ケアをする前から頭の中で「ああしてこうして」と考えるより、その場で考えるようにしています。
なんていうか、事前にあれこれ考えると僕の場合は予期不安が強くなりすぎて気持ちがつらくなるんですよね。
「あー、テープの残りはどれぐらいあるんだろうか」とか「ガーゼは2枚? 4枚? 何枚持っていけばいいんだろう」なんていう不安ばかり先行してしまいます。
だから、処置に必要なガーゼやテーブの材料はたくさん持っていくことにしています。
その場で焦ることがないように。

褥瘡処置以外にも、おむつ交換とかもパッドはたくさん持っていきます。
なんか少ないと心もとないですし。
使わなかったら戻すだけですからね。

何よりも焦らないことが大切。
焦ると気持ちに余裕がなくなるので観察も曖昧になりますし。

まあ本当、ケアが得意じゃないからこそ、心に余裕を持たないといけない。
だからこそ、余計なことを考えないように、そして余計な時間をかけないようにしています。

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ12年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

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