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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「病棟看護の魅力」です。

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私もそうですが、看護師としてはじめて働く場所って病棟がほとんどではないでしょうか。
どうですかね、病棟って。
学生時代の実習と同じ雰囲気で、なんか嫌な場所だと思う人がほとんどではないでしょうか。
なにが嫌かって、人間関係よりもモニターのアラーム音とかナースーコールの音とか電話の音とか。
そういう「音」がとても嫌でした。
だって自分で対応しないといけないっていう責任感もあるけど、じゃあナースーコール取っても対応の仕方は新人のときはわからないし、ましてや電話なんて誰からかかってきているか全然わからないし。
なんか「やらないといけないことの塊」みたいなものが音にはある気がします。

あとは人間関係というか、嫌な人がいるって精神的にもとても疲れますよね。
どの職場でも1人や2人自分とわかりあえない人はいるし、むしろ全員自分と同じ意見なはずがない。
同じほうが気持ち悪い。
それでも、やっぱり苦手な人と働くのはいや。
病棟だとそういう人に報告したり処置を一緒につかないといけないとか、なんか嫌な時間って必ずあると思います。

ただ、不思議と、自分と意見の合う人も必ずいます。
一緒働くと楽しいなと思う人も必ずいます。
そうなると、病棟で働くって楽しいし「楽だな」と感じることが増えると思います。
仲間でやればなんでも叶えられるっていうのも病棟看護の魅力かもしれません。
24時間患者さんのことを看護する病棟は、ある患者さんに対して、日中の様子と夜の様子を日勤と夜勤でいろんな見方ができます。
だからこそ、その患者さんのアセスメントが深まるし、「じゃあこうしよう」という意見が出せる。
しかも継続的な支援が実行できるのが病棟看護の魅力だと思います。
訪問看護だと家族とともに計画を考え、家族ができる範囲で実施するなんてことがありますが、病棟では看護師がたくさんいるわけで、24時間いつでもサポートする。
だからこそ、もっともっと手厚い看護をすることができる。
そのための手段、方法をその場にいる看護師が知恵を絞って考えることができる。
お互いの意見をその場で出し合い、いろんな意見を聞くことができる。
それによって自分の知らない知識や情報も増える。
とくにいろんなことに対する「対処法」ってこういうときに鍛えられると思うんです。

対処法は人間関係でも役に立ちます。
病棟スタッフとの他愛もない会話が、患者さんとの会話にも役に立ちます。
ときどき書き込まれる「病棟を経験していませんが、訪問看護はできますか」という質問は、ベストアンサーはわからないけど、僕としては「対処法の手持ちが少ないだけで、できないわけではない」って感じに思います。

病棟で働くということは、なんか嫌な感じもしますが、人生において貴重な時間になると思います。
なんとなく、看護師のスタートって病棟から始まるという理由があるように思います。

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

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