『心のケアにたずさわる人が知っておきたい精神系のくすり』の著者によるオンラインセミナーを開催します。心のケアに携わるメディカルスタッフにとって、薬剤の知識は必須です。本セミナーでは「精神系のくすりにはどんな種類があるのか」「どうしてこのくすりを処方するのか」などを解説します。セミナー開催に先立ち、講師の加藤隆弘先生にインタビューを行いました。

――メディカルスタッフが薬剤の知識をもつことの強みを教えてください。

精神科領域に限らず、「精神系のくすり」に遭遇する機会は少なくありません。精神科に通院中の患者さんが内科・外科病棟に入院することはまれではないですよね。例えばクエチアピン25mg錠を寝る前に内服している患者さんの情報を目にして、その患者さんをどのようにイメージしますか。クエチアピン=抗精神病薬という情報しかもっていない看護師さんであれば、「この患者さんは統合失調症だ」と瞬時に決めつけてしまうかもしれません。実は、こうした抗精神病薬は統合失調症をもつ患者さん以外にも処方されることが近年特に多くなっています。つまり、「精神系のくすり」の最新の活用法を知っておくと、上記のような患者さんに対する「早とちり」や「偏見」を軽減することができるのです。

――当日はどういった「学び方」ができますか?

精神系のくすりの代表である、抗精神病薬・抗うつ薬・気分安定薬(抗てんかん薬)・抗不安薬・睡眠薬に関する、基礎的な情報を最新の脳科学のトピックとともにわかりやすくお伝えします。
くすりと精神療法(カウンセリング)は水と油と思っている方もいるかもしれませんが、私はくすりと精神療法とのマリアージュが重要だと思っています。くすりの処方には、処方する医師と処方される患者との無意識の目に見えない交流がなされています。精神系の治療を成功させるためには、医師と患者との無意識の交流への理解、そして、看護師・心理師・ソーシャルワーカーといったスタッフとの連携強化が欠かせません。くすりと精神療法を介したマリアージュが功を奏した架空症例を呈示しながら、その意義をお伝えします。

――受講者へのメッセージをお願いいたします。

本セミナーでは、ところどころ、参加者のみなさんに質問しますので、積極的に「手を挙げる」ボタンを押してください。チャットでの質問も受け付けますので、ぜひ、みなさま積極的にご参加ください。いくつかの処方箋(多剤併用などの架空例)を呈示して、みなさんに、その患者さんをイメージしていただきます。
本セミナーを通じて、処方箋の情報から、その患者さんの病気の特徴だけでなく、性格傾向や対人関係の在り方を探るヒントが得られるようになればと願っています。





セミナー概要

テーマ
「精神系のくすり」をわかりやすく学ぼう!~薬物療法と心理療法のマリアージュ~

講師
加藤 隆弘先生(九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学 准教授)

開催日
①リアルタイム配信:2023年1月14日(土)10:00~12:00
②オンライン:2023年2月下旬(予定)~5月31日(予定)

対象
精神系のくすりにかかわるメディカルスタッフ

プログラム
・精神系のくすりの種類
・多剤併用の罠
・薬物療法と心理療法のマリアージュ
・こころと脳の関係は?

受講料
3,000円(税込)*スライド資料ダウンロード付き

お申込みはこちら
①リアルタイム配信:2023年1月14日(土)10:00~12:00
②オンライン:~2024年1月末(予定)