このたびオンライン講義『とことん寄り添える! 心不全ケア』(詳しくはこちら)がリリースされました。

とくに近年登場してきた新薬の特長や使いかた・使いどころ、使用時のケアの注意点、心不全ケアでかなめとなる多職種チームでどのようにかかわるべきか…椎野先生のご施設のエピソードをまじえながら解説いただいています。

今回は、講師をおつとめいただく椎野憲二先生(名古屋記念病院)に、本セミナーについてお話を伺いました。

――ナースは「心不全」のどんなところが「よくわからない」「苦手意識」と思いますか?

心不全の定義が難しく感じることがあります。本編でもお伝えしましたが心不全には原因となる心疾患があります。それを理解しないで管理をすると患者さんごとに薬の違いがあることなどがわからなくなってしまいます。

正直、担当医によっても言うことが異なるときもありますので、よりナースのみなさまの苦手意識が出てしまうのだと思います。そういった点では当院でも行っていますが多職種連携を通してみなさんで症例ごとの共通理解を深めていくのもよいと思います。

――今回、ナース向けの講義動画としてご講義いただきました。椎野先生がとくに“ナース向け”の講義として工夫・意識したことがありましたら教えてください。

現在使われるようになった薬剤の歴史をふりかえるようにしました。また新薬についてはその使いどころも症例を通して提示いたしました。

また多職種連携ではナースの方々にも大きな役割があることを(講義に)含めました。

――CHAPTER7の多職種連携のところにでてくる「患者さんの叙勲のエピソード」が印象的でした。この患者さんのように、入退院を繰り返しながら、長期間伴走していくことが多いのかなと想像されます。患者さんと長期間かかわるときに椎野先生が心がけていることがあれば教えてください。

とくに高齢の患者さんについてだと思いますが患者さんが何を大切に日々を生きているかを汲み取りながら診療ができるのがよいと思っています。意思表示が難しい患者さんであれば家族の思いなどもそれに準ずる大切なものだと思います。

長期間のかかわりになっている患者さんのほとんどが本人と家人と家族ぐるみの管理になっていることが多い印象です。延命だけが最終目的ではない生き方に寄り添った診療を心がけています。

――最後に受講者へメッセージをお願いします!

心不全はいまや国民病といっても過言ではありません。それでいて患者さんや家族も何年も病院に通院していても、その悪性度については理解がないことがあります。恐怖を与えることなく、病気を理解していただき、寄り添っていくことが必要だと思います。そのためには医師だけでなく多くの職種の方々にかかわっていただくことで、少しでも患者さんが前向きに病気に向き合っていけるようになると考えています。

本講義を通して現在の心不全の病態や治療についてご理解を深めていただければ幸いです。

椎野憲二
社会医療法人名古屋記念財団 名古屋記念病院 循環器内科 部長





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『とことん寄り添える! 心不全ケア ~新しい心不全治療薬と多職種連携の実際~』

▼プログラム
CHAPTER1 心不全とは ~EFが保たれているから、予後がいいわけではない~
➡動画でお試し試聴できます
CHAPTER2 心不全の薬物治療 ~ファンタスティックフォーの登場~
CHAPTER3 新しい心不全治療薬 パート①
CHAPTER4 新しい心不全治療薬 パート②
CHAPTER5 導入順序、スピード、選択基準 ~新しい薬剤の新しい考えかた~
CHAPTER6 心不全の併存症 ~腎臓について考えない日はない~
CHAPTER7 多職種連携 ~チームで患者さんにとことん寄り添う工夫~


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