このたび「心電図マイスター」として3年連続認定されている西村哲朗先生を講師にお迎えしまして、2級と3級の心電図検定対策セミナーを開催いたします。
セミナー講師をおつとめいただく西村哲朗先生(日本赤十字社京都第二赤十字病院 循環器内科)に、セミナーについてお話を伺いました。
――最初に、西村先生が心電図検定を受けようと思ったきっかけを教えてください。
私は研修医のころに心電図を学ぶ機会が比較的多くあり、カテーテル治療の面白さもあわさって循環器内科の道にすすむことに決めました。
循環器内科として働いていく中で、心電図検定というものがあることを知り、2021年度の試験を受験しようと思ったのがきっかけでした。それまでは心電図について深く勉強することは少なかったですが、受験するというモチベーションから書籍やネットの情報を得て勉強するようになりました。
――心電図マイスターになってよかったことなど、心電図検定にまつわるエピソードがあれば教えてください。
心電図マイスターになってからはさまざまな病院の先生方や同じ循環器内科の先生方、コメディカルの方々から日々心電図の相談があり、忙しくはなりましたが、非常に興味深い心電図の相談を受けることも多く、一緒に楽しく勉強させていただいています。虚血、心筋症疑い、電極の付け間違いなどを指摘することで患者さんの診療に役立てることにとてもやりがいを感じています。
――“3年連続”心電図マイスターとのことですが、その秘訣(先生がこだわっている対策、おすすめの勉強方法)を教えてください。
ここには書ききれないほどたくさんありますが、「基本をおろそかにしないこと」「日頃からたくさんの心電図にふれること」「心電図以外の周辺知識を学ぶこと」の3つが特に重要だと思います。一見派手なQRS波に目がいってしまいますが、P波の形や幅、調律などをおろそかにしないことが非常に大切です。
また試験ではたくさんの心電図を診断する必要があるので、日頃から心電図に見慣れて読影スピードを上げおくことや正常心電図を正常と素早く判定することが必要です。
そして、遠まわりにみえますが心臓の解剖、生理学、疾患の疫学、薬学などを理解することでより心電図の理解が深まります。
――今回は、2級と3級の対策講座となります。それぞれの講義のポイントを教えてください。
3級では心電図の正常所見に関連した基本的な内容を押さえておくことが重要になります。加えて4級と比較すると臨床に即して頻脈性不整脈や心筋梗塞に関連した出題が増加するため重点的に対応が必要となり、そのあたりを中心に講義していきます。
2級ではそこから一歩踏み込んでさまざまな疾患の鑑別に関する知識をつけていくことが大切です。マニアックな心疾患の心電図を用いた鑑別方法や難しい心電図所見が出題され、間違えやすいところを中心に鑑別のポイントをお伝えできればと思います。
――最後に、セミナー受講者へメッセージをお願いします。
私の講義を通じて心電図を「わからない、難しい」から「楽しい、おもしろい」と感じてもらえればと思います。そして、試験を受けるだけではなく、学ばれた内容を活かして、心電図について深く学び、普段の診療の場で発揮できるようにしていきましょう!
西村哲朗
日本赤十字社京都第二赤十字病院 循環器内科
心電図検定1級マイスター(2021年~2023年度)
【3級対策】
『心電図マイスターから学ぶ! 【3級】合格のための傾向と対策』
▼プログラム
①心電図所見に関する出題
・右軸偏位と左軸偏位
・時計回り回転と反時計回り回転
・右脚ブロックと左脚ブロック
・左室肥大と右室肥大
・その他の正常所見
②心筋梗塞に関する出題
・心筋梗塞部位の鑑別
・心筋梗塞の発症時期と心電図変化
③不整脈に関する出題
・徐脈性不整脈
・WPW症候群
・心室頻拍の診断
○質疑応答
日時:12月8日(日)10:00~12:00
場所:ニッセイ新大阪ビル / WEB *ハイブリッド開催
受講料:6,000円(税込)
【2級対策】
『心電図マイスターから学ぶ! 【2級】合格のための傾向と対策』
▼プログラム
①心電図所見に関する出題
・左脚前枝ブロック、左脚後枝ブロック、2枝ブロック、3枝ブロック
・低電位
・心房負荷
・電極付け間違い
②ST-T変化をきたす疾患に関する出題
・ST上昇をきたす疾患
・陰性T波をきたす疾患
・電解質異常
③不整脈に関する出題
・発作性上室頻拍の鑑別
・心房細動とWPW症候群
・Brugada(ブルガダ)症候群
・QT延長とtorsade de pointes(トルサード ド ポアント)
○質疑応答
日時:12月8日(日)13:30~15:30
場所:ニッセイ新大阪ビル / WEB *ハイブリッド開催
受講料:8,000円(税込)