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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:サーフロ

「サーフロ入れてきます」
看護師さんなら「サーフロ=静脈留置針」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。

「サーフロ」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

サーフロ」は、日本の大手医療機器メーカー「テルモ社」の商品名なので通じません。
「静脈留置針」は、英語で「IV catheter」や「IV line」です。
「IV」は、英語で「静脈の」を意味する「Intravenous」の「Intravenous」からとった略語です。

英語圏の医療現場では、サーフロを入れるとき「IV catheter」や「IV line」はあまり使わず、「start an IV」という表現を使います。
「start an IV」は、サーフロを入れて点滴をはじめるという一連の行為を含んでいます。
「start an IV」は、患者さんにも浸透している表現なので、そのまま略語を使って問題ありません。

•I am going to start an IV.
(点滴を始めますね)

※この場合、患者さんには点滴の針が入っていないので、針を入れるという行為が含まれています。





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


今日の言葉は、デザインや建築関連の雑誌などで目にする機会が多くなりました。
「断捨離」という言葉の流行も重なり、生き方の指針としても注目されています。

ドイツ人建築家、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe)が遺した言葉で、最小限のもので暮らすミニマルライフの精神を表しています。

ただ捨てるのではなく、余分なものを削ぎ落して選び抜き、最小限のもので最大限の豊かさを楽しむという考え方です。
前回紹介したレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉「Simplicity is ultimate sophistication」にもつながります。

海外留学中、ホームパーティーに呼ばれることがありました(数える程度ですが……)。
アメリカ人のお家にお呼ばれなので、お土産のワインを片手にドキドキ・ワクワクしながらお邪魔しました。どのお宅もですが、私の第一印象は「モノ多すぎじゃない?」でした。
趣味なのか、はたまたジャンクなのか……。
あふれんばかりに積み上げられたモノを見て、「モノが多い=豊か」の大量消費文化が根付くアメリカを肌で感じました。
それが今は、モノを整理してモノに感謝をする「こんまりブーム」とは驚きです。

さて、日本人は、もともと「less is more」の考え方を受け入れやすいといわれています。
「禅」や「侘び寂び」の意識が、根付いているからです。
今日の言葉を遺したローエは、日本庭園を目にして「Less is more」の概念を得たという説もあります。
削ぎ落し選び抜くのは、モノだけではありません。

「仕事を選び抜く」「遊びを選び抜く」「人間関係を選び抜く」という価値観だと、大事なものが残り、それがもっと大きな存在になります。
最小限のもので最大限の豊かさを得られるように、引っ越しを機に選び抜いてみようかなとワクワクしながら荷造り・荷ほどきをしています。

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。