みなさん、こんにちは。毎日暑いですね……。去年もこの話をしましたが、弊所がある三重県桑名市は、暑さが日本で第1位になるくらい酷暑です。
先日は41℃近かったです。訪問看護の移動中は暑くてうだるようです。水分、塩分を摂りながら、首を冷やしたりし工夫して行っています。みなさんもご自愛くださいね。
あなたが見ているのは「病気」ですか?「その人」ですか?
カルテを読み込み、病名や症状の知識を頭に詰め込んで訪問に向かう。新人のころは誰もが通る道です。しかし現場に行き、その知識のフィルターだけで利用者さんを見てしまうと、大切なものを見落としてしまいます。
訪問看護の場面で私たちが向き合うべきは、「統合失調症」や「うつ病」という病気そのものではありません。
その病気を抱えながら、この街で、この家で暮らしているその人の生活です。
病院での評価スケールをそのまま持ち込み、生活習慣の乱れを「症状の悪化」と決めつけてしまう前に、まずは一歩立ち止まる優しさを持ちたいものです。
できていないこと=問題ではない
訪問先で、部屋が散らかっていたり、食事が不摂生だったり、身の回りのケアが十分でなかったりする場面に出会うことがあります。真面目な看護師ほど、「たいへんだ、介入して改善しなければ!」と焦ってしまうかもしれません。
しかし、私が大切にしているのは、全部を“問題”として見ないということです。
まずは、その人が生活のなかでできていること、その人の強みに目を向けてみてください。
どんなに部屋が乱れていても、大好きな趣味の道具だけは綺麗に並んでいるかもしれない。毎日外には出られなくても、自分の力でご飯を食べて、今日こうして笑顔で看護師を迎え入れてくれている。
その「できていること(健康的な部分、ストレングス)」を見つけ、いっしょにおもしろがったり、認めることが、関係構築につながります。
「ヘルプが必要か、必要と思っているのか」の問いかけ
では、「できていないこと」に対して、私たちはどうかかわればいいのでしょうか。ここで重要なのは、医療者側の「正しさ」でジャッジしないことです。
私たちはつい、「部屋が汚いから掃除をしましょう」「片付けなきゃダメですよ」と、先回りで手を貸したり指導したりしたくなります。ですが、本当に大切なのは次の2つの視点です。
• 「本当に支援が必要な状態なのか?」
• 「そもそも本人は、それを問題だと感じ、支援を必要と思っているのか?」
爪が伸びていても、ひげが剃られていなくても、本人が「今はこれで落ち着いているんだ」と思っているのなら、外からの無理な介入はただの押し付けになり、拒絶を生む原因になります。
「私はちょっと心配なんだけど、〇〇さんはどう感じておられますか?」と聞いてみると、本人の気持ちが理解できます。そしてこちらの心配も伝わります。
訪問看護師は伴走者
訪問看護は、利用者さんの生活のスタイルを奪ってはいけませんよね。私たちが問題を解決してあげるのではなく、本人が「どう生きたいか」を決めるのを隣で見守る伴走者でありたいです。
たとえ周りからは不完全な生活に見えたとしても、本人が納得して、その人らしく心地よく暮らせているなら、「その不便さがあっても大丈夫」と思える心の余裕を、私たち看護師こそがもっていたいのです。
新人さんへ
明日訪問に行くときは、一度、病名の知識を頭の隅に置いてみてください。
そして、その人が自宅で、どんなふうに工夫して、どんなふうにできていることを積み重ねて暮らしているか、感じてみてください。
「何かをしてあげる看護」ではなく、本人の「必要としていること」に耳を傾けましょう。
そのかかわりこそが、利用者さんにとっても、あなたにとっても、いちばん心地よい訪問の時間をつくってくれるはずです。
【まとめ】
〇病名ではなく、生活を見る。
〇できないことばかりではなく、できることや強みに視点を当てる。
〇看護師は焦らずに余裕をもって傾聴をしていく。
訪問看護ステーションふく・ふく代表・管理者/精神科認定看護師
精神科看護に長年魅了されています。地域で水が流れるように精神科看護を浸透させたい!そんな思いで2023年8月に訪問看護事業所を立ち上げました。
訪問看護につながる手前の方にも、よくお話をしに伺います。人生をどのように過ごしたいか、希望はなにか?そんなことを会話のなかから探り、ストレングスの視点でかかわることが大好きです。精神科看護に魅了され、わくわく働ける看護師を多く育成したいと思っています。
時間があると登山をしながら日本中を旅しています。四季折々の日本の山々に包まれて至福のときを過ごしています。
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