現代の医療が求める包括的心臓リハビリテーションのけん引役

心臓手術の進歩などによって早期離床・早期退院が可能となった近年の医療では、心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)は運動療法を行うだけでなく、食事療法や禁煙指導などを含めた包括的リハビリを目指すようになりました。そのためには、医療専門職間での連携や共同作業(チーム医療)が不可欠です。また、心臓リハビリに関する多職種間での共通認識と知識や用語の共通化を図り、定期的に行われるカンファレンスやミーティングを効果的なものにしていく必要があります。これらの状況をふまえ、現代の医療に即した心臓リハビリに精通した医療従事者としての知識・技能を証明する資格が、心臓リハビリテーション指導士です。

有資格者は、包括的心臓リハビリを通じて循環器疾患の治療と再発予防、患者のQOL向上に貢献することが期待されています。また、資格取得を通じて得た知識や技術を、あらゆる動脈硬化性疾患の発症予防や治療、再発予防まで幅広く活用することができます。

資格の取得には、講習会を受講した上で認定試験を受験します。資格取得後は5年ごとに更新を行います。また、学会で研究発表を行うなど所定の条件を満たした人は、上級資格である「心臓リハビリテーション認定医・上級指導士」を目指すことができます。

資格取得情報

■資格取得とその後の流れ
(1)講習会に参加する
(2)認定試験を受験し、合格する
(3)5年ごとに更新を行う

■認定試験・受験資格
以下の4条件を満たす者 ・日本心臓リハビリテーション学会心臓リハビリテーション指導士認定制度委員会主催の講習会を当該年度に受講していること
・医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技師、臨床心理士、公認心理師、作業療法士、あるいは健康運動指導士のいずれかの資格を有していること
・申請時に日本心臓リハビリテーション学会会員であり、申請時の直近2年以上継続して会員歴があること
・心臓リハビリ指導の実地経験が1年以上あること、または心臓リハビリ研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること
※ほかに、受験申請時に10例の症例報告(自験例報告)を提出する必要あり

■日程・費用
◎講習会
・日程:2023年6月25日(日)
・会場:オンライン
◎認定試験
・日程:2023年7月17日(月・祝)
・会場:パシフィコ横浜(横浜市)
◎受講料・審査料
・受講料(第1部):6,000円
・受講料(第2部):4,000円
・受講料(第1部+第2部):10,000円
・審査料:15,000円
※事前に所定の条件を満たした人は、講習会第1部が免除される

■有資格者の状況
◎第23回(2022年)認定試験 実施状況
・受験応募者数:863人
・合格者数:524人
・合格率:78.7%
◎第23回(2022年)認定試験 医療資格別合格者数内訳
・医師:151人
・看護師:27人
・理学療法士:307人
・臨床検査技師:2人
・管理栄養士:2人
・薬剤師:1人
・臨床工学技士:0人
・臨床心理士:0人
・作業療法士:28人
・健康運動指導士:6人 

■認定更新制度
◎主な更新の条件 ※ほかにも条件あり
・5年間に、指導士更新のための認定講習会等に参加し、50単位以上取得している
・期間中に日本心臓リハビリテーション学会(学術集会)に最低1回参加している
◎資格更新数料
10,000円

問い合わせ先

日本心臓リハビリテーション学会事務局
〒151-0053 東京都渋谷区代々木 2-23-1-260
TEL:03-6300-7977
FAX:03-6300-7966
E-mail:jacr-society@umin.ac.jp
Webサイト:https://www.jacr.jp/