弾性着衣・弾性包帯の適切な使用と圧迫療法の普及を支える
下肢静脈瘤の治療や慢性静脈不全による静脈性潰瘍、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の予防や治療において、弾性ストッキングなどの弾性着衣や弾性包帯が幅広く使用されています。合併症を引き起こすことなくこれらの医療機器による十分な効果を得るためには、正しい適応、弾性着衣や弾性包帯の圧迫圧・タイプ・サイズの適切な選択、着用時および着用後の注意深い観察が必要です。患者からの「硬くて履きにくい」「すぐにずり落ちる」などの声に適切に対応することも大切です。
このような背景を受け、弾性着衣や弾性包帯の適切な使用および圧迫療法の普及のため、日本静脈学会が実施してるのが、弾性ストッキング・圧迫治療コンダクターの認定制度です。資格を得ることで、下記の知識・技術を備えているとみなされます。
・静脈疾患(肺血栓塞栓症を含む)やリンパ管疾患に対する基礎的な知識
・弾性ストッキングなどの弾性着衣や弾性包帯に関する専門的知識および技術
・慢性静脈不全による静脈性潰瘍に対する基礎的知識および技術
・圧迫療法全般に関する基礎的知識および技術
有資格者は医師の指示のもと、弾性着衣の種類やサイズの選択、着用指導、着用後の不満や問題点などの相談を引き受け、正しい着用を継続できるよう指導を行います。
2020年4月から慢性静脈不全に対する静脈圧迫処置が診療報酬として算定できるようになりました。算定を得るためには医師および看護師が所定の研修を修了することが必要と定められています。弾性ストッキング・圧迫治療コンダクターの資格認定を受けるための講習会は算定に対応しており、医療従事者のスキルアップのみならず、病院経営の面からも大きな期待を集めています。
資格取得には、講習会(座学講習、実技講習)を受講したうえで認定試験に合格し、受講後2年6カ月以内に臨床指導10単位を提出します。資格は5年ごとに更新します。
資格情報
1)講習会(座学編)を受講する
2)講習会(実技編)を受講する
3)WEB試験に合格し、講習会受講証の発行を受ける
4)臨床指導10単位を提出し、コンダクター認定を受ける
5)5年ごとに更新する
日本国における医師、薬剤師、看護師、准看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、臨床工学技士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、救急救命士のいずれかの資格を有していること(2024年5月現在)。
◎<座学講習>弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター講習会:座学編(WEB受講)
・受付期間:通年
・開催期間:通年
・受講期間:申込・参加費入金確認後 30日間
・参加費:7,000円(税込)※教科書代は別途自己負担
◎<実技講習・認定試験>軽井沢地区 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター講習会:実技編(第44回日本静脈学会総会併設)
実技講習
・受付期間:2024年3月28日(木)~2024年6月11日(火)24:00
・開催日時:2024年6月14日(金)14:00~16:30(予定)
・会場:軽井沢プリンスホテル ウエスト(長野県軽井沢町)
・定員:100名
・参加費:6,000円(税込)
認定試験(WEB受講)
・認定試験:7月9日(火)15:00~7月16日(火)24:00
・受講証発行:認定試験合格後~7月26日(金)24:00
・受験料:実技講習参加費に含む
※資格・単位を希望しない人は実技だけの申込も可能
◎<実技講習・認定試験>宇部地区 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター講習会:実技編
実技講習
・受付期間:2024年4月23日(火)~2024年7月3日(水)24:00
・開催日時:2024年7月7日(日)12:30-16:00
・会場:山口大学医学部 霜仁会館(山口県宇部市)
・定員:100名
・参加費:6,000円(税込)
認定試験(WEB受講)
・認定試験:7月9日(火)15:00~7月16日(火)24:00
・受講証発行:認定試験合格後~7月26日(金)24:00
・受験料:実技講習参加費に含む
※資格・単位を希望しない人は実技だけの申込も可能
※徳島地区(2024年9月14日または15日)、札幌地区(2024年10月6日)、神戸地区(2024年11月29日または30日)、東京都北区地区(2024年11~12月)に実技講習と認定試験を実施予定。
※2025年1~2月にWEBによる実技講習と認定試験を実施予定。
初回認定時:5,000円
更新認定時:3,000円
・資格の有効期間は5年
・更新申請は有効期間の最後の1年に行う
・更新には、資格終了前2年間に施行される認定講習会を再度受講するか、同期間中に臨床指導内容書30単位を作成し提出する
問い合わせ先
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター養成委員会・認定事務局
〒162-0822 東京都新宿区下宮比町2-28 飯田橋ハイタウ829 日本静脈学会内
Webサイト:https://js-phlebology.jp/
Mail:stocon.tmd@gmail.com