みなさんこんにちは

今回は点滴ルートについて考えてみましょう。

心カテでは患者さんの状態の悪化はいつでも起こり得ます。またそのような状況は、なるべく速やかにリカバリーしなくてはなりません。そのために必要なもの、点滴ルートはとても大切です。

1.まずは入室時から点滴が滴下されることの確認

そもそも点滴ルートが漏れていないかどうかは重要なことですよね。カテ室への移動中に何らか起こってしまっているかもしれません。患者さんのカテ室入室時には必ずチェックしましょう。

2.患者さんがカテ台に横になったら確認すること

手台のところで点滴ラインが折れ曲がってませんか? 手台を入れるとき、NIBPマンシェットを巻くために動かした手を戻すとき、点滴ラインが折れ曲がっていませんか? 確認しましょう。

3.三方活栓は手の届くところにありますか?

急いで投薬しなくてはならないときに、三方活栓がドレープの奥深くにあって、三方活栓を探すのに時間がかかってしまうと対処が遅れてしまいます。

少なくともどこに三方活栓があるのかは必ず確認しておきましょう。できれば手の届きやすいところに置いておくようにしましょう。もっと言えば、できれば毎症例同じ場所あたりに三方活栓が置いてあるようにしましょう。

4.三方活栓はなるべく患者さんの近いところにありますか?

長いルートのなかで患者さんから遠い位置に三方活栓がある場合には、患者さんの体内に薬が届くまで時間がかかってしまいます。その後、薬の効果が現れてもう追加で投薬しなくてもいい状況になった際には、今度はルート内に残っている薬が患者さんに入ってしまいます。

また、カテを受ける患者さんは心不全になっている方もいらっしゃいます。薬を投薬するために入れたくない分の輸液を入れざるを得なくなる場合もあります。

薬の効果出現の時間を短くするために、また無駄な輸液を防ぐために、三方活栓の位置をもう一度考えてみましょう。

でも……

例えば、左手穿刺の場合、ルートは右手に入っていることが多いかと思います。そのとき、点滴ルートの穿刺部位の近いところに三方活栓があると、術者の目の前に三方活栓がある、ということになってしまいます。

バタバタしている状況では術者の手を止めるわけにはいきませんので、投薬がしづらい状況になります。三方活栓は、なるべく患者さんの顔の横あたりにくるようにしましょう。


今回は、点滴ルートについて考えてみました。

点滴ルートの作り方については、病棟や救急室とカテ室が連携を取り、考えなくてはならない問題かと思います。各施設の環境でベストな点滴ルートを考えることが重要ですね。

今回はここまで。
ありがとうございました。

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プロフィール:野崎暢仁
新生会総合病院 高の原中央病院
臨床工学科 MEセンター
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人

メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。