みなさんこんにちは。

さて前回は患者さんのカテ中の様子のなかでも痛みについてお話しました。今回も患者さんの様子についてお話ししていきます。

患者さんからの訴え

カテ中のナースコールの代わりは、みなさんの観察になります。患者さんからはどんな訴えが聞こえてくるのでしょう。

図1

不安・緊張

当然、カテを受けられる方の多くは緊張されていることでしょう。その緊張を和らげてあげる。そして少なくとも緊張を与えない。それはカテスタッフの大切な仕事の一つになるでしょう。

私たちカテスタッフは、毎日のように仕事でカテ室にいます。カテ室に何があってどういうときに使われるものなのかも知っていて、カテの進行も知っていて、どんな先生で、どんな看護師さんかも知っている。匂いなんかもわかるくらいカテ室のことを知っていますよね。

みなさんは、もし目隠しをされたとしたら、何をされるのかわからず不安になりませんか? その状況で周りから「ワァー」といった声が聞こえてきたら余計に不安になりますよね。目隠しされた状態で、どこかに連れて行かれたら、何が起こるんだろうって緊張しますよね。

患者さんは、カテ室のことも、カテのことも、ほとんど知らないですよね。目隠しされているのと同じですよね。

私たちカテスタッフが、いまからこんなことがあるよ、ちょっと痛いかも……なんてことを教えてあげると、患者さんの不安や緊張は和らぐかもしれませんね。

少なくとも!スタッフ自身が緊張して、、、悩みながら、、、他のことを考えながら、、、怒りながら、、、なんて顔で患者さんに接したら、患者さんに余計な不安や緊張を与えてしまうことになります。プロとして、少なくとも患者さんに不安や緊張を与えてしまわないようにしましょう!

尿意

カテ中は、造影剤・点滴など、患者さんの体の中には水分が入っていきます。また、緊張状態ということもあってか患者さんが尿意を感じることがしばしばあります。ただ、患者さんが言ってくれればいいのですが、スタッフが忙しそうにしていたり、みんなががんばって治療してくれているのにこんなことで……と思ってなかなか尿意を伝えることができない場合もあります。

治療が長くなったときや、ある程度の時間でさりげなくと聞いてあげると、そのときしたくなくても、したくなったときに伝えやすくなるかもしれませんね。

痛み・不安・緊張・尿意を心電図が教えてくれることもあるのですが、では心電図のどこを見ればいいのでしょう?

答えは、#070の「⑪痛み・苦痛による心電図変化」を見てくださいね!

昔、「俺、気合いでST上げられるねん」って言っている同僚がいましたが、まだそれを確認することはできていません。


では今回はここまで!
ありがとうございました!

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プロフィール:野崎暢仁
新生会総合病院 高の原中央病院
臨床工学科 MEセンター
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人

メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。